「青森の若手を応援したい」と語る高橋さん

 青森市出身のコントラバス奏者、高橋洋太さん(32)=千葉県浦安市=は日本を代表するオーケストラの一つ、東京都交響楽団の団員。入団9年目を迎え、国内外の演奏会に出演するなど充実した日々を過ごしている。

 青森山田高校の吹奏楽部出身。小学3年からバイオリンを練習してきたが、高校進学と同時に本格的にコントラバスを始めた。

 「コントラバスは一番下の土台。基礎が安定すると、どんな地震がきても大丈夫」と低音の魅力を語る。

 東京の桐朋学園大学に進学。2004年には日本演奏家コンクール弦楽器大学生の部で3位入賞するなど実績を重ねてきた。

 現在、首都圏のプロのオーケストラや合唱団で活躍する県人音楽家は少なくない。彼ら、彼女らが顔を合わせた時に話題になるのが、自分たちに続く本県出身の若者たちの存在という。

 高橋さんのようにプロの演奏家になるにはどうしたらいいのか。高橋さんは「日本のクラシックは世界的に見ても先進国になってしまった。日本人の演奏家が世界各国にいる時代」と、まずは競争の激しさを説明。「だからこそ早い(幼い)時期に始めてほしい」と率直に語る。

 「嫌々やらされる子もいると思うが、中には途中で(気持ちが)切り替わる子がいる。そこから目覚めてメキメキ成長するんです」

 プロになる道が閉ざされたら? 「音楽が楽しいと思えるなら、続けることに意味があります。全国の各都市にアマチュアのオーケストラがある。ある意味、プロでやるより面白い。『学生時代にやっていたけど、今はやめた』ではつまらないですよ」。高橋さんは音楽を愛する人生の豊かさを信じている。

 しかし、進学相談や練習指導の依頼などで実際に接触してくる若者は少ない。

 高橋さんは「県人の音楽家たちは皆、いつも何かしてやりたいと思っているんです」と故郷の若者に向ける仲間たちの思いを代弁する。高橋さん自身も「機会があればいくらでも応援したい」と熱いメッセージを送る。

古里でもリサイタル

 高橋さんは2007年と11年の2回、青森市でリサイタルを開いている。東京にいても故郷への感謝の気持ちは忘れない。「何年かに1度、必ず県内オケの『第9』のステージにお手伝いに行くようにしています」  前回のリサイタルからけっこう間があいた。「来年あたりを考えています。忘れられないように(笑)。青森出身の人とコラボできたらいいですね」