青森市内の路線を走る爽(さわ)やかな緑色がシンボルカラーの青森市営(しえい)バス。市民に欠かせない公共交通機関の一つです。男性(だんせい)運転手が多くを占(し)める中、女性(じょせい)のバス運転手として活躍(かつやく)しているのが、青森市出身の落合直美(おちあいなおみ)さん(44)です。運転歴12年のベテランで、運転業務(ぎょうむ)の他、乗車前の車両点検(てんけん)なども行っています。「このバスに乗って良かったなと思ってもらえるように安全第一に快適(かいてき)な運転と対応(たいおう)を心掛(こころが)けています」と笑顔を見せます。
バス運転手は、出社するとまず、運転免許証(めんきょしょう)の提示(ていじ)とお酒を飲んでいないかを調べるアルコール検査(けんさ)をします。乗客の命を預(あず)かる責任(せきにん)ある仕事なので、重要な確認事項(かくにんじこう)です。
乗車許可(きょか)が出ると、次は、バスに不具合がないかの車両点検です。タイヤの状態(じょうたい)やブレーキの踏(ふ)み具合、ブレーキランプが切れていないかなど、安全に走行するためにしっかりと点検していきます。
運転手は、時間通りの運行を心掛けており、渋滞(じゅうたい)などによる焦(あせ)りやイライラは禁物(きんもつ)です。「どんな時でも平常心(へいじょうしん)を保(たも)ち、乗客を安全に目的地に運ぶことが運転手の使命です」と落合さんは話します。
落合さんは小さい頃(ころ)、乗り物酔(よ)いがひどく、バス遠足が嫌(きら)いだったそうです。「運転が好きになったのは、高校卒業後に運転免許を取得してから」と話し、2度目の挑戦で念願のバス運転手となりました。
女性ならではの心遣(こころづか)いを大切にしているという落合さんは、乗客から感謝(かんしゃ)される機会も多く、女子高生から「かっこいい」と声を掛けられることもあるそうです。乗客との温かい触(ふ)れ合いが落合さんの原動力となっています。
バスの運転手を目指す子どもたちへ「使命感、責任感が伴(ともな)う仕事なので、プレッシャーに負けない強い精神力(せいしんりょく)が必要です。運転が好きで人とのコミュニケーションを大切にできる人が向いているかな」とアドバイスをくれました。