五所川原市に生まれて板柳町で育ち、現在は東京都内で出版社に勤務する小田桐勝美さん(34)がこぎん刺しに出合ったのは3年前。「地元にいるときは身近すぎて、魅力に気付きませんでした」。作品を作っていると、過酷な環境でこぎんを刺していた昔の津軽の女性たちへの尊敬の思いが湧き、古里とのつながりを強く感じるという。

 最近手掛けているのは、太宰治作品の表紙をこぎん刺しで装丁・製本したオリジナル本作り。小説「津軽」は藍染めの布に伝統柄、「走れメロス」は疾走感のある図柄など、作品イメージに合わせてデザインし、一つ一つ手作りしている。「全作品をこぎんで包むのが目標。まだまだ時間はかかりそうですが」とほほ笑む。