五所川原市のエルムの街ショッピングセンターで、候補者の演説に耳を傾ける有権者=3月30日午後

▼五所川原市区(定数三-4)/元職は背水の陣で臨む
 「五所川原市政では野党という立場。厳しい戦いを強いられている」。告示3日目の3月31日。自民党現職の寺田達也(56)は同市川山で開いた集会で、自身の陣営が置かれている状況をこう説明した。

 大票田の旧五所川原市内で寺田と激戦を繰り広げているのは、自民党現職の櫛引ユキ子(65)。昨年6月の五所川原市長選で、櫛引に近い佐々木孝昌が、寺田が支援した同党推薦の候補を破り初当選。この構図は今回の県議選でも続き、与党市議9人が櫛引、野党市議12人が寺田の陣営に名を連ねる。

 前市長平山誠敏(故人)の支援を受けて過去の選挙を戦った寺田にとって、市長の後ろ盾がないのは初めて。「市長選の敗因はわれわれの気の緩み。失敗を繰り返さないよう、慢心を捨てて臨んでいる」と支援市議は口をそろえる。

 櫛引の街頭演説では佐々木が応援マイクを握り、市政との一体感を印象付けている。告示日の29日の演説では「与党議員は9人だが、県議選の結果次第で市議会は確実に変わる」と強調。今回の選挙で櫛引が寺田に票差をつけて勝利し、少数与党の市議会勢力図に変化をもたらしたい-との思惑が透けて見える。

 他陣営からは「市長の支援があるから有利」との声が聞かれるが、陣営関係者は櫛引が市長選で中立を貫いたことで一部の支持層から批判を受けたことの影響を懸念する。

 両陣営が集票合戦を展開する一方で、地盤の中泊町などの票固めに徹するのが自民党現職の成田一憲(80)だ。陣営には前回県議選に出馬した塚本悦子を含む中泊町議13人全員が顔をそろえる。塚本は前回の選挙で3899票を獲得しており、成田への票の上積みが期待される。

 ただ、9期目を目指す成田には高齢多選批判がつきまとう。31日、知事三村申吾や中泊町長濱舘豊光と共に街頭に立った成田は、町と県のパイプ役を果たしてきたことをアピールし「もう1期当選して地域活性化に取り組む」と声を上げた。

 今回の選挙を「最後の戦い」と捉える国民民主党元職の今博(68)は社民党と自由党の推薦を取り付け、反自民票の掘り起こしに躍起だ。

 30日、五所川原市金木町の商店街の街頭演説には、国民民主党代表の玉木雄一郎、中泊町出身の元衆院議員升田世喜男、社民党県連代表の三上武志が駆け付けた。「3人の自民党現職と相撲を取る。私はまだ4番目なので、皆さんの助けが必要だ」と今。言葉に背水の陣の覚悟がにじんだ。

▼北郡区(定数一-2)/接戦か 両陣営危機感

 「一票一票積み重ねるしかない」

 3期目を目指す自民党現職の齊藤直飛人(43)=板柳町=と無所属新人の相川順子(61)=鶴田町=による3度目の争いは、これまで齊藤の2勝。だが両陣営とも今回は接戦になるとみて、ともに危機感をあらわにし選挙区内を奔走している。

 齊藤は2日、板柳町内を広く回り、有権者に握手を求めた。「気を緩めた方が負ける。最後まで有権者に寄り添っていく」と言葉に力を込める。板柳町議11人中10人、鶴田町議12人中3人が支援、総決起大会などには板柳町長の成田誠も出席した。

 衆院議員木村次郎らも応援のマイクを握った。3月31日に両町の街頭で応援演説に立った知事三村申吾は、2月から数えて3度目の選挙区入りとなった。「知事も厳しいと分かっている。県議は1、2期目は勉強期間で3期目からまいた種が咲き始める。落とすわけにはいかない」と齊藤陣営幹部は話す。

 相川は2日、両町を回り夕方からは鶴田町で街頭演説を重ねた。「知り合いにもう一回(投票を)頼んでほしい」と声をからす。

 3人による争いだった前回選挙では、鶴田町から出馬したもう一人の候補を多くの町議が支援した。今回は町議9人が相川を支援し、板柳町からも初めて後援会に役員が加わった。しかし、陣営幹部の表情は険しく「板柳町の票を読めない」と口をそろえる。

 相川陣営は同町での浸透を図りながら、地元鶴田町での票の掘り起こしを進める。同陣営幹部は「鶴田で投票率が上がればこちらの得票が期待でき有利になる。投票率を上げたい。われわれはチャレンジャー。最後の最後まで草の根選挙に徹する」と気を引き締めた。