お茶と一緒(いっしょ)に、ぱくりと一口。みんなお菓子(かし)は大好きだよね。今回紹介(しょうかい)するのは、日本の伝統的(でんとうてき)なお菓子である「和菓子(わがし)」の職人(しょくにん)。幸坂朋美(こうさかともみ)さん(27)は、七戸(しちのへ)町に本店を置き、和洋のお菓子を扱(あつか)う老舗(しにせ)「みやきん」の工場で働いています。器用な手先を使って、おいしさでも見た目でも楽しませてくれる和菓子を、たくさん作っています。
お菓子といえばケーキなどの洋菓子のイメージが強いですが、手作り感のある和菓子は女性(じょせい)を中心に根強い人気。お正月やひな祭り、お盆(ぼん)など、和菓子の需要が高まる行事は年中あります。
機械でできる和菓子もある一方で、繊細(せんさい)な色や形をしたものは職人にしか作れません。特に腕の見せどころは、上等な生菓子「上(じょう)生菓子」を作る時です。砂糖(さとう)などを混(ま)ぜた色とりどりの練り物を手に、へらなどで丁寧(ていねい)に形を整えます。彩(いろど)りにようかんを使うことも。花や鳥など、日本らしい季節感を表現した和菓子に仕上げます。「花びらの枚数(まいすう)や色など、より本物に近づけるための勉強もしています」と幸坂さん。できたての和菓子を各店舗(てんぽ)のお客さんに味わってもらうため、工場は朝の時間帯が一番忙(いそが)しくなります。
幸坂さんは高校3年生の時、昔から食べるのも作るのも好きだったお菓子の仕事に就(つ)きたいと思い、この道へ。入社当時は、家に道具や材料を持ち帰って練習していたそうです。「『おいしかった』と言って、お客さんがまた来店してくれた時などはとてもうれしく思います」と言います。最近は和菓子でケーキを作ってほしいというお客さんもいるそうで、仕事が板についてきた今も立ち止まることなく、新しい和菓子作りにチャレンジしています。
これからの目標を聞いてみると、「和菓子を食べたお客さんに、少しでも幸せに、笑顔になってもらえるように、これからも頑張(がんば)りたいです」と笑顔で答えてくれました。