古豪復活へ向け、奮起を誓う笹谷さん=12日、東京都千代田区の明治大学

 「古豪」復活へ向け、燃え尽きる覚悟だ。明治大学3年で藤崎町出身の笹谷建公(けんこう)さん(21)=東京都江戸川区在住=は、1924年創部のボクシング部で、昨秋から主将を務めている。

 明大は過去、ヨネクラジムを開設した米倉健司ら五輪出場者をはじめ、名ボクサーを多く輩出。関東大学ボクシングリーグ戦1部で優勝するなど輝かしい歴史を持つが、近年は成績が低迷し、昨季は3部に降格した。

 笹谷さんは弘前工業高校卒。高校2年の全国選抜大会で3位に入ったほか、インターハイにも2度出場した。当初は大学に進むつもりはなかったが、最後のインターハイは両脚のけがで思うような成績を残せず、「ここで終わりたくない」との思いで明大進学を決めた。

 昨年9月、同じく弘前工出で前主将の工藤洸弥さん(4年)や監督らが、笹谷さんを新キャプテンに指名。明大に2代続けて弘前工出の主将が誕生した。託された使命は、もちろん2部復帰だ。

 ただ、昇格は狭き門。3部は8校が所属し、階級ごとに個人トーナメント戦を実施する。総合得点で優勝した大学が2部の最下位と入れ替え戦を行う。選手が10人と層の薄い明大にとって、勝ち抜くには全選手の能力の底上げが不可欠という。

 そこで、五輪出場経験のある他大学のコーチに助言を求め、練習メニューを改革。サンドバッグの打ち込みが足りない-と指摘を受け、量と時間を大幅に増やした。それまで20秒ごとだったパンチの連打を、1回3分に延長。体力面に不安がある部員が多いため、スタミナや足腰の強化に力を注ぐ。

 2部復帰を強く願うのは、リーグ戦の舞台にも理由がある。3部の試合は主に首都圏の大学を会場とするが、1、2部は後楽園ホール(東京都文京区)のリングが主戦場。「きつい練習メニューを疑問に感じる後輩もいるはずだが、頑張って良かったと思わせてあげたい」

 練習に打ち込む日々を送る一方、4月からは就職活動が本格化する。首都圏での就職を希望する一方、ボクシングは今年が最後と決めている。

 5月に開幕する大学最後のリーグ戦へ向け、「絶対に2部へ戻るとの目標がはっきりしている分、チームにまとまりがある」と手応えを感じている。

 「よく頑張ったと言われて引退したい。大学でボクシングをやり切り、燃え尽きたい」。握り拳に力がみなぎった。