横浜(よこはま)町内では古くから農作物として菜の花が栽培(さいばい)され、日本屈指(くっし)の作付面積を誇(ほこ)っています。毎年5月中旬(ちゅうじゅん)ごろに見ごろを迎(むか)え、町内はまるで黄色のじゅうたんのような絶景(ぜっけい)に包まれます。この時期は県内外から大勢(おおぜい)の観光客が訪(おとず)れ、1年で最もにぎわいます。
同町の菜の花は、昭和30年代前半に換金(かんきん)作物の代表として栽培が始まり、1968年には約750ヘクタール(東京(とうきょう)ドームの約160倍)の作付面積がありました。現在(げんざい)は、町内の65農家が計約100ヘクタールに栽培しています。
菜の花は7月中旬に収穫(しゅうかく)され、9月上旬には「ナタネまき」を行います。雪の下で一冬を越(こ)したのち、次の年の春に開花します。菜の花は若芽(わかめ)を食用にしているほか、同町のNPO法人「菜の花トラストin横浜町」が食用油「御(おん)なたね油」を製造(せいぞう)しており、人気を得ています。
町などは、菜の花の景観作物としての特性(とくせい)を生かし、91年から大豆田(まめだ)地区で「菜の花フェスティバル」を開催(かいさい)しています。菜の花大迷路(だいめいろ)や菜の花撮影会(さつえいかい)、郷土(きょうど)芸能(げいのう)の披露(ひろう)や特産品の試食販売(はんばい)など多彩(たさい)に行われます。メーンイベントの菜の花マラソン大会には全国各地から大勢のランナーが詰(つ)め掛(か)け、美しい景色を眺(なが)めながら健脚(けんきゃく)を競っています