東京都美術館で23日まで開かれた日本現代工芸美術展で、大鰐町出身の貴田洋子さん(64)=埼玉県所沢市=が出品したこぎん刺し「あす・への飛翔(ひしょう)」が現代工芸賞に輝いた。

 「濃紺と白」という伝統的なツートーンにとらわれず、色彩豊かに津軽の風景を描いている。赤い朝日と緑の大地。春を思わせる黄色の中で、飛び立つ濃紺のカラス。東日本大震災の惨劇を経て復興への希望を、と願いを込めた。

 整然としたこぎんが「静」なら、生き生きと飛び回るカラスは「動」のイメージ。「ハトだと柔らかすぎるし、ワシだと強すぎる。津軽の人々の辛抱強さも表現しています」。