長さが30センチ以上ある大鰐温泉もやし。丁寧にわらで束ねられているのが目印。ほのかな土の香りと歯触りの良さが特長

 長さが30センチ以上あり、加熱してもシャキシャキした食感が楽しめるモヤシといえば、温泉町・大鰐を代表する「大鰐温泉もやし」。約400年前から作られてきた伝統野菜で、弘前藩3代藩主・津軽信義が大鰐で湯治する際に必ず献上されたという。

 大鰐温泉もやしは、町在来の「小八豆(こはちまめ)」を原料に温泉熱と温泉水、ミネラル豊富な黒土で栽培される。栽培期間は11月から4月までで、地元では、みそ汁や油炒めなどの食材として親しまれている。同町の大鰐温泉もやし増産推進委員会リーダーの船水英俊さんにお薦めの食べ方を聞くと「断然、しゃぶしゃぶ。根を付けたまま丸ごとどうぞ。もやし独特の味わいと食感がたまりません」と教えてくれた。

 近年、高齢化や後継者難で廃業する農家が後を絶たず、伝統の技を絶やすまいと町が後継者を募った。(1)独自のブレンド土を使用し、1度収穫したら新しい土に入れ替える(2)水やりから洗浄、仕上げまですべて温泉水を使用-など、江戸時代から一子相伝で受け継がれてきた先人の技を町内の6農家が受け継ぐ。栽培施設の増設や後継者育成など、2016年度から始まった増産対策事業により、生産量は着々と伸びている。

 12年に地域団体商標に登録され、メディアで紹介される機会が増えて県外での人気も上昇中。一度食べたら病みつきになるという人も多い。船水さんは「大鰐でしか味わえない温泉もやしは、町に人を呼び込んでくれる。町おこしの起爆剤となる大鰐ブランドをもっと広めたい」と意気込む。

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