「2人でいると本当に楽しい」と笑顔を見せる彩香さん(右)と太田さん

 家族と寝起きし、ご飯を食べて、学校に行くと友達が笑っていて-。地元の日常の空気感をそのまま身にまといながら、4人は中央にもインパクトを与えるだけのパフォーマンスを続ける。ただでさえ悩み多き年頃。人に夢を与える仕事の顔とはまったく違った素顔もある。

 176センチとメンバーの中で最も長身の高校2年生、彩香さんの親友は、同級生の太田美桜(みお)さん(五所川原市)。太田さんは身長146センチで、彩香さんと足して2で割ってちょうど高校生の平均身長ぐらいだ。

 ほんわかしたムードの彩香さん。入学したとき席が前後で偶然、太田さんと知り合った。「それまで、こんなガツガツしたタイプの友達は周りにいなかった。性格は真逆。だけど、美桜と会うのが学校に来る理由、といっていいぐらい」と彩香さんは笑う。

 驚くことに、太田さんは「芸能界にもりんご娘にもまったく興味がない」。地元にりんご娘が公演で来たとき、彩香さんのパフォーマンスを見に行ったことがあるが、追っかけの男性ファンたちのあまりの熱烈ぶりに驚いた。「そこまでやるか」-。

 そんな太田さんの願いはただ一つ。「何であれ、彼女の思いが実現すればそれでいい」。だからこそ、人一倍応援する。りんご娘が出演するテレビ番組は全部録画してチェックする。時には彩香さんにダメ出しもする。「あの場面、笑えてなくない?」。決して下手に相手に合わせない。そんな飾りもない直言が、彩香さんにとってはうれしくてならない。太田さんもアルバイトのことなどを彩香さんに相談する。

 「テレビの中で輝いている彼女は、とても自分のクラスの生徒とは思えない」というのは担任の男性教諭。「これからりんご娘が大きくなっていく中で、ますます自分の目指すところが何なのかを、自分で考えてやっていかなければいけなくなるだろう。せめてクラスが彼女のオアシスであってくれたら」という。

 時には、彩香さんが大好きだという校長に悩みを相談しようと、2人で直接、校長室に乗り込むことも。「いっしょに泣いたりふざけたり、本当にいいでこぼこコンビですよ」と校長は目を細め「芸能界という大人の世界の中では、駆け引きやぶつかり合いなどもあると思う。そんな望まないこともひっくるめて、成長の糧にしてほしい」と見守る。

 「りんご娘は、楽しさもうれしさも悔しさもつらさも、全部味わえる場。その感情はすべて、未来の自分に役立つと思っている」と彩香さん。気にかけてくれる先生たちの思いも十分に分かっている。

 心強い親友や先生たちから勇気をもらいながら、彩香さんはきょうもステージに立つ。「今までは人に流されることも多かったが、美桜に出会って自分の意見が言えるようになった。性格も変わってきた」と彩香さん。本名と芸名とを行き来する彼女と、ふつうの高校生の太田さん。ある意味で正反対の2人の「足して2で割る」関係が、互いを支えている。

 人の個性を認め合おうというメッセージを込めた、青春の応援ソング「アメノチヒカリ」の中で、彩香さんはこんなパートを歌っている。

 「意気揚々 自由奔放 違っていいよ それぞれぞれ」