腰巻きに浴衣にタスキ、花がさをかぶってハネトに変身。手には腹ごしらえのための大きな白いおにぎりとキュウリを持たされた子どもたち。おばあちゃんに「さ、いってこいへ!(いっておいで)」と送り出されて、ねぶた小屋へ。

 青森市浅虫の出身、神奈川県在住の絵本作家でイラストレーター砂山恵美子さんの絵本「ねぶただ」は、ねぶたに参加する子どもたちの胸躍る一日が子どもの目線で描かれる。「さあ、ハネド けっぱって(がんばって) ちょうないまわるぞ」「ラッセラー、ラッセラッ」

 そんな絵本にもなった、青森ねぶたの足元を支える青森市内の「地域ねぶた」がコロナ禍前に比べ半減しているという。高齢化で担い手が先細る中、コロナ禍が追い打ちをかける。今年を最後に運行取りやめを決めた団体もある。

 復活して約40年運行してきた篠田町会もきょう、あすの町内運行が最後。出陣前にみんなでかぶりつく手作りのキュウリの漬物が名物だと、以前の記事で紹介されていた。どうなったか会長の高杉忠詔さん(77)に尋ねると、用意したのはコロナがなかった3年前が最後。「ああいうときに食べるキュウリやおにぎりは、なんともおいしかった」。

 祭りを中心に人と人をつないできた糸がきしんだり、切れてしまったり。県内各地で同じ悩みを聞く。結び直すことはできないものか。