公明党内で参院選ショックが収まらない。1議席減の上、目標の比例代表800万票に遠く及ばなかったためだ。支持母体・創価学会の集票力衰退のほか、自民党との溝が目立つ憲法改正論議への対応、7期目の任期が9月に切れる山口那津男代表(70)からの世代交代が課題としてのしかかる。大勝の自民に対しては、安倍晋三元首相死去で党内力学が変化する中、間合いをどう取るか。党勢回復へ難路が待ち受ける。

 「大健闘だ」。14日の党会合。山口氏は参院選をこう振り返った。だが改選14議席を守れなかっただけに、平静を装ったように映った。わずか約8カ月前の昨年衆院選の約711万票から約618万票へ大幅減。党関係者は「衝撃の数字だ。党内の多くは心の中でそう受け止めた」と漏らす。

 要因はいくつもある。まずは創価学会の高齢化による組織力の低下だ。加えて、候補が接戦を演じた兵庫や神奈川などの選挙区に注力したあおりで、比例対策が「後手」(中堅)に回った。相互推薦を巡る調整で自民との関係が一時ぎくしゃくし、選挙協力体制の構築が遅れたのも響いた。

 執行部の一人は「組織政党として、衰えを強く感じる」と焦りを隠さない。来年に統一地方選を控え、参院選への十分な検証が必要だと訴える。

 ハードルは党勢回復だけではない。改憲に前のめりな自民への対応だ。自公とも改憲に前向きな「改憲勢力」だが、自民が掲げる9条への自衛隊明記などでは隔たりが大きい。公明は「ムードだけで改憲できると思わない」(北側一雄副代表)と強くけん制する。

 対自民では、長期政権を担った安倍氏の死去が、両党の意思疎通に影響を与える可能性が高い。公明幹部は「安倍氏には、公明の不満を聞いてもらっていた」と明かした上で「自民内の権力バランスがどう変わるかを見極める。誰が中心になって、われわれと向き合うのか」と身構える。

 待ち受ける難局に、9月以降も山口氏は続投すべきだとの声がくすぶり始めた。公明筋は「石井啓一幹事長(64)らへの世代交代より、安定優先だ」と提起。党重鎮は「巻き返しへどんな体制を築くべきか。党は曲がり角に来ている」と語った。