「重症化してから受診する人が多い。糖尿病の怖さや正しい知識が伝わっていないのではないか」。青森市の内科医は説明した。本県の糖尿病死亡率が全国ワースト2位となったことを受けて取材をした時だ。

 糖尿病は、血糖をコントロールする「インスリン」の働きが悪くなる病気。「2型」は、生活習慣によるものが大きい。やがて神経障害や失明などの重篤な合併症をもたらす。

 「一部の人は、糖を取り過ぎている。スポーツドリンクや野菜ジュースなどにも多くの糖質が含まれていることを知ってもらわないと」。内科医は厳しい表情を浮かべた。

 糖尿病と言えば、1991年発刊の「糖尿列島」(鴨志田恵一著)を思い出す。新聞記者の著者は「身をすり減らして働き、取材相手や仲間とともに酒を飲み、食い、果てしない会話が深夜未明まで及ぶ」ような生活を経て糖尿病を発症した。「糖尿病は豊かな社会のツケ。ストレス社会を顕著に映し出す病気」と、患者個人と社会への“治療”の必要性を訴えた。発刊当時、「10人に1人の病」だったが今、予備軍を含め5、6人に1人の割合になった。

 冒頭の内科医によると、糖尿病になると、がん罹患(りかん)リスクが約2割増す。がん死亡率最悪の本県だからこそ「節食、体重管理、運動が肝心」。国民病と闘う最大の武器は正しい知識。頼るのは自分の意志。結局、そこに行き着く。