大工は新しく家を建てたり、修理(しゅうり)をする仕事です。いろいろなアイデアや、職人(しょくにん)ならではの技で、お客さんの希望をかなえます。
平川市にある工務店(こうむてん)「古川(こがわ)住研(じゅうけん)」で働く古川(こがわ)貴嗣(たかつぐ)さん(33)は、大工として働く父親に子どものころから憧(あこが)れて大工になりました。今は父親の会社で働いています。「大工の仕事は知れば知るほど面白いです。木材の見方ひとつとっても奥(おく)が深く、いつも新鮮(しんせん)さを感じながら働いています」と話します。
古川さんが大工になろうと決めたのは、高校受験のとき。料理人の道と悩(なや)みましたが、工業高校へ進学し大工の道へ。
家を建てるときの一番の基礎(きそ)は、差し金と呼(よ)ばれる定規(じょうぎ)のようなもので、木材一つ一つに印を付ける、「墨付(すみつ)け」という作業。墨付けによってどこを切るのか、どこに穴(あな)を開けるのか決まるので、正確(せいかく)さが求められる重要なものです。
もちろん高い所に上っての作業や、刃物(はもの)を扱(あつか)う場面も多くあります。「一歩間違(ちが)うと大きなけがにつながるので、いつも気を付けています」と古川さん。
やりがいを感じるのは、目に見えて家ができていくのを実感したときや、お客さんが「頼(たの)んでよかった」と喜んでくれたときです。「外での仕事が多いので、夏は暑く冬は寒くて大変ですが、お客さんが喜んでくれるのを見ると、それも吹(ふ)き飛びます」
特に思い出深い出来事は「小学校から高校まで同じ学校だった親友が、私(わたし)に家を建ててほしいと言ってくれたこと」です。家を建てるというのは人生の中でとても大きな買い物だけに、喜びもひとしおです。
大工を目指すみんなには、「作ることをとことん楽しむのが大事」とメッセージをくれました。