国政選挙、地方選挙を問わず、投票率の低下が指摘されて久しい。中でも参院選は低水準だ。22日公示、7月10日投開票の参院選は投票率向上も焦点となる。

 参院選本県選挙区の投票率は、衆参ダブル選挙だった1986年の74.32%をピークに、それ以降は高くても60%台、2000年代は40~50%台で推移している。

 改正公選法の施行により、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた16年の前々回は55.31%にとどまり、19年の前回は42.94%と過去最低だった。全国の投票率も48.80%と過半数を割り込んだ。民主主義の土台となる選挙で有権者の2人に1人が1票の権利を放棄するゆゆしき事態だ。国民代表として当選者の正当性が脅かされかねない。

 県民は低投票率をどうみているのだろう。本紙連載「参院選 わがまち投票率」で住民の一人は、政治が生活に関わると実感できていない人が多いのではないかと指摘する。有権者と政治、選挙の間に一定の距離があるようだ。

 今回の参院選について、本紙の世論調査では、県内の有権者の77.9%が「関心がある」と回答した。その関心を具体的な投票行動につなげたい。有権者一人一人が政治参加意識をもっと高め、投票所に足を運び、地方の声を国政に届けてほしい。

 参院選は、少子高齢化・人口減少にあえぐ地方にも目を向け、民意をくみ取り政策に反映させているのか、政治のありようを振り返るよい機会となる。

 コロナ禍が長引き、国民は自粛生活を強いられ、経済活動が停滞した。苦境に立たされた事業者や職を失った人も少なくない。政治は縁遠い世界と思っていた人たちも、命や生活を守ることがトップリーダーの決断や政府の方針に左右されることを身をもって知ったはずだ。検査や医療体制の整備・拡充などに迅速に対応したか。支援はくまなく行き届いたのか。

 円安・物価高が経済を直撃している。企業や家計の負担軽減策など、政府の対策は十分か、これまでの政策を自分自身の生活と結びつけてじっくりと検証してもらいたい。

 若い世代の選挙離れは深刻だ。19年の前回参院選の本県投票率は10代、20代ともに20%台と低調だった。

 低投票率が続くと、高齢者層など投票率が高い人たち向けの政策を重視しがちになる。投票率が低い若い世代に目が向かなくなり、世代間格差を広げる要因になりうる。

 経済再生が重要とはいえ、財政出動を伴う経済政策は、巨額な借金のツケを将来世代へ回すことになりかねない。負担増を背負う若い世代は看過してはならない。傍観者のままでは何も変わらない。自分の将来のために、一票一票の積み重ねが政治を変えることを自覚してほしい。

 県や市町村の選挙管理委員会は、期日前投票所の増設など、投票率向上に取り組んできた。障害者ら誰もが投票しやすい環境整備は万全だろうか。ただ啓発を繰り返すだけではなく、具体的な投票行動につながるよう、高校などで行われている主権者教育も地道に継続する必要がある。

 投票率向上は候補者側の問題でもあろう。本県選挙区には4人が立候補を表明している。選挙期間中に、他候補とともに合同演説会を開くなど積極的に有権者に判断材料を提示するべきだ。