ハロウィンの騒ぎが終わり、そろそろクリスマスシーズンへカウントダウン。最近は、外でパーティーというより、「おうちクリスマス」を楽しむ人の割合が増えているのだとか。そんな方々にオススメなのが、クリスマスの伝統的な定番ケーキ「シュトレン」。青森市に、本場・ドイツに渡りマイスターの下で修行した本格的なシュトレンを出す店があると聞いて、おじゃましました。時間をかけて熟成を楽しみながら、少しずつ食べるこのケーキ、店内にある見本を手にしてみると、驚くべきズッシリ具合。この重さ、凶器並みですw

■ドイツの名店でマイスターに師事■

店主の松島さん(ウェブサイトより)

 本場のシュトレンを出しているのは、青森市浪打に店を構える「コンディトライカフェ キーファルンバウム」。店主の松島浩人さん(58)は、ケーキの定番、みんな大好き(←筆者調べw)なケーキ「モンブラン」を日本で初めて出した、東京・自由が丘の名店「モンブラン」で菓子作りを学んだ後、大阪のホテルやフランスでの修行を経てドイツ・ハンブルクに渡り、4代続く老舗の「アンデルセン」で、店主でマイスターのアドルフ・アンデルセンさんに師事し、本場のシュトレンづくりを身につけました。
 青森市浪打で2004にオープンした、パステルカラーのグリーンに彩られたかわいらしい外観のお店には、ドイツ風の焼き菓子の他にもフランス系の生ケーキもたくさん。イートインコーナーもあります。「キーファルンバウム」という店名もロゴマークも、アンデルセンさんが自ら作ってくれたそうで、ちなみに店名を直訳すれば「松の木」という意味です。

■シュトレンってなに?■

Mサイズで1キロw

 ところで、シュトレンって? クリスマス・イブから数えて、4週間前の日曜日(アドヴェント=降臨祭)から食べはじめ、イヴの夜に最後の一切れを食べてクリスマスを迎えるという伝統的なドイツ菓子で、粉砂糖をまぶした真っ白な姿は、白い産着に包まれた幼子イエスをイメージしていると言われています。14、15世紀にはこの形になっていたと言いますから、少なくとも500年にわたって、人々に愛されてきたといえるでしょう。
 キーファルンバウムのシュトレンは、松島さんが修行したアンデルセンとほぼ同じ材料配分で、ずっしりと重いのが特徴。古来のレシピに則って、添加物は入れません。パン屋さんが出している、パン生地を使った一般的なシュトレンの2・5倍の密度と重さがあるそうで、これが乾燥しづらく、日持ちする秘密です。

■出来上がってからも熟成■

シュトレンの断面ショー

 生地にマジパン(砂糖とアーモンドを挽いて練り合わせたお菓子)を練り込み、ドライフルーツとナッツのほか、イチジクの赤ワイン煮(ここは松島さんのオリジナルです)を入れ、たっぷりの発酵バターに漬け込んで、最後に砂糖をふんだんにまぶして出来上がり。重い生地は出来上がってからも熟成が進み、ドライフルーツの風味が生地へと移っていきます。常温に置いて少しずつ食べるそうで、「薄く切った方がおいしい。厚くても1センチですね。上質なラスクのような味わいで、紅茶が良く合います」と松島さん。
 本場のシュトレンをつくれる菓子職人は意外に少ないようで、松島さんはその世界では有名人。全国や、韓国など国外でもプロ相手の講習会講師を務めており、これまで1000人以上に、惜しみなく技術を伝えてきたそうです。

■家族のイザコザの凶器には使わないでw■

パステルカラーのお店

 そんな松島さんがつくる、日を追うごとに味わいが変わり、じわじわとリッチな旨みが増していくシュトレン。「今日よりも明日、明日よりも明後日」と、クリスマス当日が待ち遠しくなるケーキなんて、他にあるでしょうか? やはり、その日限りのパーティーではなく、毎日顔を合わせる家族のクリスマスシーズンにピッタリです。お店にある、見本のシュトレンを手にしてみると、やはりずっしり。知らずに持つと腰を痛めそう…筋トレもできそう…もし、これで殴られたら、無事では済みそうにないので、くれぐれも、家族のイザコザの凶器に使わないでくださいねw

 キーファルンバウムのシュトレン、年々ファンが増えているようで、青森県外のリピーターからのお取り寄せも多いそうです。Sサイズ(13×7センチ、300グラム)1600円、Mサイズ(23×10センチ、1000グラム)4500円、Lサイズ(25×12センチ、1200グラム)が6000円(いずれも税別)。1200本ほど作るそうですが、売り切れの場合は「ごめんなさい」だそうです。予約は11月いっぱい、販売は23日から。気になる方は公式サイト(https://www.kiefernbaum.jp/)または電話(017-741-0072)へ。(C)