「寝音曲」で「太郎冠者」役を表情豊かに演じ、「主」役(右)と軽妙な掛け合いを見せる野村万作さん

 狂言の人間国宝・野村万作さんと息子の萬斎さんらによる、東奥日報創刊130周年記念「狂言 青森特別公演」(東奥日報社、東奥日報文化財団主催、青森市文化スポーツ振興公社共催)が8日、青森市のリンクステーションホール青森で行われた。詰めかけた1300人が、日本古来の喜劇の世界に浸った。

 演目に先立ち、萬斎さんが舞台に登場し狂言の楽しみ方などを解説した。さらに披露する3演目のあらすじを説明した萬斎さんは「狂言は基本的に『しょうもない人』しか登場しない」と話し「その様子を笑い飛ばして、明日も生きてみようかいと、そう思ってもらえたら」と語り掛けた。

 公演は2人の「お百姓」が賭け事をする様子を描いた「佐渡狐(さどきつね)」でスタート。二つ目の演目「寝音曲(ねおんぎょく)」では、従者役の「太郎冠者(たろうかじゃ)」を演じる万作さんが「主」役と押し問答を繰り広げ笑いを取りつつ、力強く舞いながら謡(うた)い、観客の目をくぎ付けにした。

 萬斎さんは最後の演目「小傘(こがらかさ)」で、でたらめのお経で人々をだます偽僧侶を熱演。念仏を唱えながら滑稽な動きで舞台を動き回り、会場を爆笑の渦に包んだ。

 弘前市から友人と3人で訪れた成田睦子さん(61)は「面白かった。笑いました。萬斎さんももちろんいいけど、万作さんのお年を感じさせない姿がすごかった」と話していた。