ロシアによるウクライナ侵攻の衝撃について講演する兵頭氏

 東奥情報懇談会6月特別例会が6日、青森市のホテル青森で開かれ、防衛省防衛研究所政策研究部長の兵頭慎治氏が「ロシアによるウクライナ侵攻の衝撃」と題して講演した。現実の社会で起きた他国への侵略や民間人らへの無差別攻撃、残虐行為が今なお世界に影響を与えているとし「(侵攻は)側近の誤った情報に基づく、プーチン大統領の非合理な判断」と述べた。

 兵頭氏は、国土が平穏無事な時代がほとんどなかった歴史的事情から「ロシアに過剰な国防意識がある」と指摘。北大西洋条約機構(NATO)の拡大阻止と共に「自国だけでなく、国境の外側、旧ソ連地域に『縄張り』のようなものがないと安心できない」と侵攻に踏み切った背景を説明した。

 しかし、ロシア軍のずさんな作戦や士気の低さ、ウクライナ軍の想像以上の善戦、自国内での反発、国際的な経済制裁など「プーチン氏にとって誤算が続いている」とした。

 一方、欧米側も、戦争の出口を模索する中で▽侵攻前の状態に戻す▽ロシアと妥協して一刻も早く停戦▽一切妥協しない-と意見が分かれ一枚岩ではないと解説。フィンランドとスウェーデンのNATO加盟に反対するトルコ・エルドアン大統領とプーチン氏の会談が注目されるとした。

 今後については「プーチン氏は東部2州の完全制圧は断念できないのではないか」と推察。核兵器使用の可能性は「ゼロとは言えないが、米国などの反応を計算する必要があり、踏み切る可能性は低い」との見解を示した。