出かけようとする亭主に女房が悪態をつく。「またどっかに引っかかろうと思ってるんだろ、上げ潮のごみ!」。落語『風呂敷』の一場面だ。外出先であちこちの店に引っかかる亭主を、満ち潮に乗って流され、杭(くい)に引っかかるごみにたとえる。

 亭主も負けていない。「ごみだって真っすぐ行こうと思ってんのに杭かなんかがあるから引っかかるじゃねえか。ごみの了見も知らねえでぐずぐず言うな」。ごみにも言い分があると開き直る。

 海洋ごみが問題となって久しい。経済協力開発機構は「プラスチックごみの管理とリサイクルが極めて不十分」と指摘する。2019年に世界で消費されたプラスチックは4億6千万トン。推定3千万トンのプラスチックごみが海に漂う。河川に1億900万トンがたまり、何十年もかけて海洋へ流出する。

 プラごみに限らず、本県沿岸にも雑多なごみが大量に漂着する。各地で清掃活動が行われるが追いつかない。ここ2年余り、朝のごみ出しで家庭ごみが増えたと実感する。プラ製品も目立つ。コロナ禍の巣ごもり消費の影響とはいえ、少し気が引ける。

 ごみの了見を想像してみる。「好きでごみになったんじゃねえ。大量に作られ、浪費したり、捨てるやつがいるからたまるんだよ」。きょう5月30日(ごみゼロの日)から6月30日までは海上保安庁が定めた「海洋環境保全推進月間」。