沖縄本島北部が舞台のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」は、米軍施政下から1972年の日本復帰の年へと物語が進む。その頃、深夜放送で初めて聞き衝撃を受けた歌を思い出した。沖縄を代表するシンガー・ソングライター佐渡山豊さんの「ドゥーチュイムニィ」(独り言)だ。

 今でも歌詞の一部をそらんじることができる。<唐ぬ世から大和ぬ世/大和ぬ世からアメリカ世/アメリカ世からまた大和ぬ世>。どうして施政はこんなに変わるのか、と歴史にほんろうされる県民の心の叫びをウチナーグチ(沖縄方言)にのせた。

 87年に国体の取材で沖縄を訪れた。大会中、読谷村(よみたんそん)で行われた少年男子ソフトボール競技の開始式で掲げられた日の丸旗が引き降ろされ、焼き捨てられる事件が起きた。復帰から15年、心のしこりの根深さを思い知った。

 佐渡山さんは、基地の街・コザ(沖縄市)出身。引退後に帰郷し、建築エンジニアとして働いた。95年の米兵少女暴行事件をきっかけに「もう一度、ウチナンチュー(沖縄人)の心を」と請われ再びステージに立つ。

 15日で復帰50年。変わったもの、変わらないものは何か。米軍基地の過重負担、名護市辺野古への基地移設、尖閣諸島周辺での中国船の領海侵入…。<人に飼われた鳩(はと)よりも/すずめの方が俺は好き>。ドゥーチュイムニィを口ずさみ、沖縄の今を思う。