「あおもりいのちの電話」で電話を受ける相談員

 一人で悩む人々に耳を傾け、自殺を未然に防ぐ電話相談ボランティア「あおもりいのちの電話」(事務局・青森県弘前市)の相談員数が伸び悩んでいる。関係者は「コロナ禍で増えている電話を取りきれていない」と実感を語る。相談員養成講座プログラムの一部で、広く一般市民にも対話の技術を伝える、本年度の「傾聴講座」が今月から始まる。

 警察庁が3月に発表した2021年の「自殺統計」(確定値)によると、青森県の自殺者数は293人(男性217人、女性76人)で、前年比35人増。人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は23.7人で山梨県と同率の全国ワーストとなっている。

 「あおもりいのちの電話」の相談員の数は00年に一時的に70人を超えたものの、以降は50人前後で推移。ただ、最近はコロナ禍で一時的に業務を休んでいる相談員もいるという。一方、相談件数は20年から増加傾向にある。

 事務局で研修委員長を務める、弘前大学大学院保健学研究科の田中真助教は「最近では相談の2割ほどがコロナに関連した内容。ひきこもりや家庭内暴力など、問題が潜在化して見えにくくなっていると考えられ、電話相談のニーズはこれからも増えてくると思う」と傾向を分析。

 「話を聞いてどこに困難さを抱えているかを理解することで、相手の気持ちを軽くし、考え方を整理できるようになってもらうための援助を目指している」と話している。

 傾聴講座は5月28日から7月23日までの土曜日午後2時から4時まで計8回、弘前市社会福祉センターで開かれる。受講は無料。田中さんらは「日頃から人の話を聴く技術を身につけたい人や相談活動に従事している人にも受けてほしい」と呼びかけている。申し込み締め切りは21日だが、興味ある講座のみの当日参加も可。相談員になるには講座修了後、面接と有料の講座を受ける必要がある。

 問い合わせはあおもりいのちの電話事務局(電話0172-38-4343)へ。相談電話は毎日正午から午後9時まで、0172-33-7830で受け付けている。