第71回県俳句大会

県俳句大会 桜庭さん(弘前)知事賞 特別選天位は吉田さん(八戸)

 東奥日報社と東奥日報文化財団主催の第71回県俳句大会が24日、特別選者に俳誌「枻(かい)」代表・発行編集人の橋本榮治氏を迎え、青森市のリンクステーションホール青森で開かれた。県内各地から149人が参加し、特別選、席題、宿題の合計得点を競った。総合1位の県知事賞には、弘前市の桜庭恵(けい)さん(77)が初めて輝いた。

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桜庭恵さん(本社撮影)

 桜庭さんは「花芒岬のはての千空碑」(宿題「芒(すすき)」)などの句で総合17点を獲得。「1位は思ってもみなかった。これも句友のおかげ。宿題の句はとても好きな俳人・成田千空さんへの思いを込めた」と語った。
 特別選「当季雑詠」(橋本榮治氏選)の天位には、吉田千嘉子さん(八戸市)の「路地売りの尻まで紅き林檎買ふ」が選ばれた。
 第71回県俳句大会では、開会と同時に二つの席題「稲架(はさ)」「蟋蟀(こおろぎ)」が発表され、参加者が句作に取り組んだ。記念講演では、橋本氏が「短歌を詠む俳人 蛇笏(だこつ)賞作家・相生垣瓜人(あいおいがきかじん)」と題して、短歌も詠んだ昭和の俳人・相生垣(あいおいがき)瓜人(かじん)の魅力を紹介しながら、俳句以外の表現方法を学ぶことの重要性を訴えた。

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歳時記などを見ながら、席題に取り組む参加者(本社撮影)

  橋本氏は、瓜人が静岡・浜松の書店「谷島屋(やじまや)」の依頼でデザインした包装紙に記した歌「讀書の楽しみを詠む」4首を紹介し、「本を読む楽しみは、短歌でないと表現できない。俳句では言えないことがあることを理解し、短歌をしっかりと自分のものにしていたことが分かる」と述べた。
 また、瓜人が百合山羽公(ゆりやまうこう)と共宰の雑誌「海坂(うなさか)」で、俳誌「馬醉木(あしび)」同人の佐野まもるらの俳句を短歌に表現し直したり、句の選評を書かずに選者の苦悩を短歌で表現したりしたエピソードを披露。「瓜人の句は情けと離れているが、主情をあふれさせた短歌を詠まないと、それを保てなくなることを分かっていた。短歌を詠むことで俳句の客観性が保てるのなら、それに越したことはない。みなさんも知識を広げ、俳句のみならず短歌や詩にも興味を持って勉強してほしい」と語った。
 大会ではこのほか、席題が8氏による4人一組共同選で、選者が1人ずつ披講した。宿題「芒(すすき)」は、14人の選者を代表して西谷是空(ぜくう)氏が披講した。

 大会結果は次の通り(敬称略)。
◇総合 (1)桜庭恵(弘前)(2)佐々木寿子(十和田)(3)西川無行(八戸)(4)草野力丸(深浦)(5)櫛引麗子(五所川原)(6)工藤邦子(青森)(7)塙ひさ(同)(8)聖雪(弘前)(9)佐々木一湖(青森)(10)千葉新一(弘前)(11)田端千鼓(八戸)(12)吉田千嘉子(同)(13)日野口晃(十和田)(14)三ケ森青雲(八戸)(15)後藤岑生(青森)(16)畑中とほる(むつ)(17)くどうひろこ(板柳)(18)飯田知克(むつ)(19)金田一一子(大間)(20)稲場暁子(十和田)
 ◇特別選 ▽天位 吉田千嘉子▽地位 日野口晃▽人位 蝦名石蔵(青森)