設立趣意

 東奥日報文化財団は、東奥日報社が社会貢献活動として長年取り組んできた芸術文化関連事業の高い公共性に鑑み、その一部を継承し、青森県における芸術文化活動の一層の底辺拡大と活性化を図るため、県民の幅広い支援を仰ぎながら目的を一にする新規事業を併せて推進し、将来にわたって心豊かな県民生活の向上に貢献することを目指します。
 1888年に創刊した東奥日報社が125年の歴史の中で醸成してきた青森県の芸術文化の土壌は「サンデー東奥」(1929年発刊)、「月刊東奥」(1939年発刊)に象徴されるように投稿、寄稿、連載という形で紙面に作品発表の場を提供し、集い競い合う大会開催などを通して数多くの才能を育て、本州最北端という独特な風土を色濃くまとった全国に誇れる個性豊かな文化を育んできました。
 俳句、短歌、川柳の各文芸大会は2013年に67回目を開催しました。第一線で活躍する選者を招き、これほどの歴史を持つ文芸大会は全国に例を見ません。寺山修司、成田千空、梅内美華子、杉野草兵をはじめ多くの文芸を愛する人々が足跡を残し、築いてきた道です。
 東奥児童美術展は1931(昭和6)年に始まった東奥美術展をルーツにしています。棟方志功、阿部合成、今純三、野沢如洋、鷹山宇一、橋本はな、小島一郎ら、後に全国的に高い評価を受ける多くの美術家・写真家を輩出してきた登竜門としての精神を今も引き継ぎ、子どもたちは瑞々しく柔らかな感性の芽を次々に大きく伸ばしています。
 首都圏へ行かなければ鑑賞できない大型投資を必要とする大規模美術展やコンサート、舞台、囲碁・将棋大会など、その内容は幅広く、県民生活に深く密着しています。
 21世紀に入り、社会情勢は大きく変貌を遂げました。景気低迷が長期化する中で時代は緊縮傾向へ進んでいます。どんなに厳しい時代であろうと、逆に厳しい時代だからこそ、生きがいを持って心豊かな人生を送るためには「文化」の力が大きく寄与するはずです。
 青森県の文化的ポテンシャルの高さは全国トップクラスを誇っています。東奥日報社が手掛けてきた事業は、県民の潤いある暮らしに欠くことのできないものであるという期待を使命感とし、社会貢献事業として継続してきたものです。多くの県民が参加することで続いてきた事業ですが、今後、青森県民の文化的ポテンシャルをさらに高めるため、東奥日報社が一企業として培ってきた社会貢献事業を継承し、拡大し、育成していく必要があります。
 長い歴史の中で、県民の温かい支援と協力で続いてきた各種事業を今後も安定的、創造的、積極的に行うため、ここに財団法人を設立し、趣旨に賛同して頂ける団体、企業からの寄付、会費を募りながら、将来にわたって青森県の地域振興に寄与し、県民が心豊かな生活を送ることができることを目的として芸術文化、教育、健康福祉等の地域活性化に資する事業推進に真摯に取り組んでいくことを表明します。


平成26年1月15日
一般財団法人東奥日報文化財団
理事長 塩越 隆雄