東奥日報 東奥スポーツ賞


第4回東奥スポーツ賞

 第4回東奥スポーツ賞の受賞者は2個人2団体です。東奥スポーツ大賞は、全国高校サッカー選手権大会で県勢過去最高の準優勝を果たした青森山田高サッカー部、東奥スポーツ賞は、ボートの全日本ジュニア選手権男子シングルスカル優勝などの石田尚也さん(18)=むつ工業高3年、自転車競技で全国高校総体チームスプリント優勝、世界ジュニア選手権女子2万メートルポイントレース銅メダルの八戸工業高自転車競技部、東奥スポーツ功労賞は、長野パラリンピックなど障害者スポーツで活躍し、スポーツ指導者としても長年尽力している野澤英二さん(61)=青森市=に贈ります。

東奥スポーツ大賞
  ▽ 青森山田高サッカー部
  −国立で躍動頂点に迫る

東奥スポーツ賞
  ▽ 石田尚也さん(むつ工業高)
  −伸び盛り充実の1年
  ▽ 八戸工業高自転車競技部
  −努力重ね男女で快挙

東奥スポーツ功労賞
  ▽ 野澤英二さん(青森)
  −スキー、陸上熱く指導



■ 国立で躍動頂点に迫る
  青森山田高サッカー部

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全国高校サッカー選手権で準優勝を果たした青森山田高イレブン=2010年1月
 すべての高校サッカー選手が夢見る最高峰の舞台で、青森山田高イレブンが躍動した。昨年12月から今年1月にかけ、首都圏で開かれた第88回全国高校サッカー選手権大会で準優勝。県民の声援を背に快進撃を続け、同校が持つ2001年の4強という県勢の過去最高成績を塗り替えた。

 青森山田中出身者が主軸のチーム。中高一貫育成の中、積み重ねた基礎体力の向上、精神力の強化が実を結んだシーズンだった。

 13年連続15回目の出場となった今大会は、序盤で強豪が次々と敗れる波乱が起こったが、優勝候補の一角の下馬評が高かった青森山田高は崩れることなく、確実に勝利を重ね、準決勝以上の戦いが行われる国立競技場にたどり着いた。決勝は名将率いる山梨学院大付(山梨)に惜しくも敗れ、頂点の座には届かなかったが、イレブンの華々しい活躍は県民の心に大きな感動を残した。

 優勝の2文字は来年以降の宿題となったが、レギュラーの約半分を2年生が占める。準優勝後にJリーグ1部鹿島アントラーズと仮契約を結んだ柴崎岳選手=野辺地町出身=をはじめ、実力者は多い。今大会の準優勝は、再び初優勝を目指す彼らに、かけがえのない経験と、雪辱を期す決意を残した。

 合言葉は「今年こそ優勝」。またあの舞台に舞い戻るため、選手たちは日々の練習に励んでいる。



■ 伸び盛り充実の1年
  石田尚也さん(むつ工業高)

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新潟国体優勝などの目覚ましい活躍を見せた石田尚也さん=2009年9月
 「ボートを本格的に始めて3年目。本当に充実したシーズンだった」。昨年を、伸び盛りの18歳は笑顔で振り返った。

 まず昨夏、全日本ジュニア選手権のシングルスカルで頂点に。その後も好調を維持し、国体の同種目で優勝、アジアジュニア選手権では2位となった。フランスで開かれた世界選手権にも出場し、「上には上がいると実感した。大きな刺激を受けた」と収穫を語る。

 むつ市出身。兄の誠さんもボート選手で、幼いころから兄のレースを応援するうち、次第に競技へのあこがれを募らせていった。中学卒業後、むつ工に進み、名門のボート部へ。以来、厳しい練習に打ち込んできた。  持ち味は「スタートダッシュ」と強調。「序盤から飛ばし、勢いに乗ってゴールするのが理想。そうやって1着になるのは、最高の気分ですね」

 4月、日本大学に入学。埼玉県戸田市の寮に入り、ボート漬けの日々が始まる。「もっと自分を追い込み、力を付けたい。そしていつか、オリンピックに出場できたら」。さらなる高みを目指し、新スタートを切る。



■ 努力重ね男女で快挙
  八戸工業高自転車競技部

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全国高校総体チームスプリントで2連覇を達成した八戸工(左から磯島康祐さん、坂本周輝さん、木村弘さん)=2009年8月
 一昨年の全国高校総体のチームスプリントを大会新で制したメンバーの木村弘、坂本周輝の両選手に、磯島康祐選手を加え、昨年の同大会で連覇を果たした。

 大野直志監督は、練習時間の量よりも、密度を重視する。10年近い同校監督としての経験から、特にスプリント力を養うには、ギュッと凝縮した練習が有効だと分かったからだ。その、きつい練習に「インターハイ連覇」を合言葉に耐えた男子選手たちの努力が、見事にV2として結実した。

 女子も負けていない。上野みなみ選手が、昨年8月のジュニア世界選手権(ロシア)の女子2万メートルポイントレースで3位に入り、同選手権トラック種目で、日本女子として初のメダル獲得の快挙を成し遂げた。上野選手は2年から頭角を現すと、持ちタイムがぐんぐん短縮。「競技に対する欲と自覚が芽生えていた。それが成長の要因」と大野監督は目を細める。

 卒業後、木村選手、坂本選手はプロを目指して日本競輪学校へ、上野選手は鹿屋体育大(鹿児島)へ入学。それぞれの道でさらに飛躍を目指す。



■ スキー、陸上熱く指導
  野澤英二さん(青森)

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障害者スポーツの選手、指導者として後進の育成に尽力する野澤英二さん
 障害者スポーツ選手として、長野パラリンピックバイアスロンで銀メダル獲得をはじめ、車いすマラソンなどで活躍。距離スキーや陸上競技の指導者としても長年、後進の育成に尽力している。

 30歳の時に交通事故で車いす生活になってから、本格的にスポーツに打ち込むようになった。約20年前に日本障害者スポーツ協会の初級指導員の資格を取得したのを機に、指導者としての道も歩み始め、健常者と障害者の垣根を越えて子どもたちにスポーツの楽しさを伝えている。現在は日本障害者スキー連盟副会長などの要職も務める。

 不自由な生活を余儀なくされても弱気にならず、「甘ったれてはいけない」と奮起した気持ちが熱い指導の根本にある。「子どもたちには、目標に対して気持ちを強く保ってほしい」と願う。




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