東奥日報 東奥スポーツ賞


第3回東奥スポーツ賞

 第3回東奥スポーツ賞の受賞者は6個人1団体です。東奥スポーツ大賞は、現役最後の大会となったレスリング世界選手権女子51キロ級で金メダルを獲得し、有終の美を飾った坂本日登美さん(28)=八工大一高−中京女子大出、自衛隊。東奥スポーツ賞は、日登美さんの妹でレスリング世界選手権女子48キロ級で銅メダルの坂本真喜子さん(23)=白銀中−中京女子大付属高出、自衛隊=、レスリング世界ジュニア選手権男子フリースタイル120キロ級銅メダルの荒木田進謙さん(21)=光星学院高−専修大、陸上400メートル障害2冠の岸本鷹幸さん(18)=大湊高、全国高校スキー女子回転で県勢28年ぶり優勝の後村茜さん(16)=東奥義塾高=の4人。東奥スポーツ功労賞は、スキーの普及・育成に長年尽力した菊池正八さん(89)=大鰐町、相撲の普及・競技力向上に貢献した鯵ケ沢鯵ヶ沢,鰺ヶ沢,鰺ケ沢相撲錬成館丹代道場(鯵ケ沢鯵ヶ沢,鰺ヶ沢,鰺ケ沢町)に贈ります。

東奥スポーツ大賞
  ▽ 坂本日登美さん(八工大一高−中京女子大出、自衛隊)
  −レスリング世界選手権女子51キロ級で金メダルを獲得

東奥スポーツ賞
  ▽ 坂本真喜子さん(白銀中−中京女子大付属高出、自衛隊)
  −レスリング世界選手権女子48キロ級で銅メダル
  ▽ 荒木田進謙さん(光星学院高−専修大)
  −レスリング世界ジュニア選手権男子フリースタイル120キロ級銅メダル
  ▽ 岸本 鷹幸さん(大湊高)
  −陸上400メートル障害で2冠
  ▽ 後村  茜さん(東奥義塾高)
  −全国高校スキー女子回転で県勢28年ぶり優勝

東奥スポーツ功労賞
  ▽ 菊池 正八さん(大鰐町)
  −スキーの普及・育成に長年尽力
  ▽ 鯵ケ沢相撲錬成館丹代道場(鯵ケ沢町・齋藤孝夫館長)
  −相撲の普及・競技力向上に貢献



■ 栄光と挫折最強の女王 鍛錬重ね輝く功績
  坂本日登美さん(八工大一高−中京女子大出、自衛隊)

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現役最後の世界選手権決勝もフォール勝ちし有終の美を飾った坂本日登美さん=2008年10月
 6度の優勝を誇る女子レスリング世界選手権は2005年から4連覇、昨年の東京大会を最後に女王のまま一線を退いた。国際大会の連勝は64を数える。

 勝負の世界に「たら」「れば」は禁句だが、五輪で51キロ級が採用されていれば、日本に、もう一つの金メダルをもたらしたに違いない。

 レスリングを始めたのは小学3年。弟の将典さん(自衛隊)の後について八戸キッズの練習を見に行くと、「体育の授業みたいで面白そうだった」という。八工大一3年で全国高校選手権優勝。中京女子大1年で初出場した全日本選手権51キロ級を制し、翌2000年の世界選手権で頂点に立った。

 だが、「自分の階級」と自負する51キロ級が五輪で実施されない。1階級下で妹の真喜子さん(自衛隊)と争う選択はあり得ず、一つ上に主戦場を移したが、吉田沙保里選手(アテネ、北京五輪金メダル)の前に散った。

 栄光と同じくらいの挫折があった。だからこそ復活に至るまで支えてくれた両親や故郷の人々、自衛隊の仲間たちへの感謝は尽きない。「最終的な目標はロンドン五輪で真喜子に金メダルを取らせてやりたい」。コーチとして夢の実現を妹に託す。



■ 「ポスト伊調千」最右翼
  坂本真喜子さん(白銀中−中京女子大付属高出、自衛隊)

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世界選手権3位決定戦で勝ち、銅メダルを獲得した坂本真喜子さん=08年10月
 東京で昨秋開催された女子レスリング世界選手権48キロ級。北京五輪銀メダリスト・伊調千春選手(八戸市出身)の欠場で、出番が回ってきた。結果は3位の銅メダル。「女子は金メダルを求められる」。期待に応えられない悔しさが残った。

 姉兄を追って小学1年からレスリングに取り組み、八戸・白銀中から中京女子大付属高に進む。高校2年で全日本選手権48キロ級を制し、2003年の世界選手権では5位、05年は3位と実力をつけてきた。しかし、同じ階級の伊調選手を破れず2番手に甘んじた。

 ポスト伊調の最右翼と目される。4月の全日本女子選手権で優勝すれば、世界選手権の代表に内定する。「目の前のことしか頑張れないので」。今の目標は世界選手権の初制覇。その先に見据えるのはロンドン五輪だ。



■ レスリング界期待の星
  荒木田進謙さん(光星学院高−専修大)

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けがを乗り越え全日本選抜で優勝した荒木田進謙さん=08年6月
 日本レスリング界が期待を寄せる重量級の若手だ。光星学院時代、全国高校選抜、インターハイ、国体の3冠を2年連続で達成。専修大1年で全国学生選手権フリースタイル120キロ級の王者に輝くと、アジアジュニア選手権も制した。

 大学2年の時、右ひざ前十字じん帯の断裂で手術を受ける。だが、3年生の今季、全日本選抜で初優勝を飾り、世界ジュニア選手権で3位。全日本選手権も初めて制し、カムバックを果たした。

 国内での頂点は通過点にすぎない。「海外での入賞はジュニアの試合ばかり」とさらなる高みを目指す。「まずアジアで勝って。そしてロンドン…」。屈託のない笑顔に本音をのぞかせる。小学2年で八戸クラブのマットに立った時から思い描く五輪の舞台。「むちゃくちゃ出たいっす」



■ 五輪狙う“下北の鷹”
  岸本 鷹幸さん(大湊高)

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国体陸上少年男子400メートル障害で高校歴代4位の50秒17で優勝した岸本鷹幸さん=08年10月
 2008年、陸上四百メートル障害で高校2冠達成。埼玉インターハイは50秒64(高校歴代7位)、おおいた国体少年男子は50秒17(同4位)と、むつ市出身の“下北の鷹(たか)”は走るたびに自己記録を更新、陸上界のホープに躍り出た。

 同種目を始めたのは大湊高校進学後。2年の夏までは53秒台を切れず、ハードル間の歩数を、前半13歩・後半15歩の「先行型」から、すべて15歩の「後半型」に変更したところ、後半の加速が増し、一気に記録を短縮。「練習すればするだけ伸びるので楽しい」と語る。

 今春から法政大学に進学、ロンドン五輪時は4年生。「選手として一番いい時期。狙うしかない」。五輪3大会出場の為末大選手が持つ47秒89の日本記録を目標に、新天地でさらなる飛躍を誓う。



■ アルペンのヒロイン
  後村  茜さん(東奥義塾高)

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全国高校スキー女子回転で1年生ながら2本ともラップを奪い優勝した後村茜さん=09年2月
 2月に長野県白馬村で行われた全国高校スキー大会の女子回転で、1、2回目ともラップを奪い、県勢として28年ぶりに優勝。1年生ながら全国の脚光を浴び、低迷が続く本県アルペン界のヒロインになった。

 4歳でスキーを始め、小学校時代から頭角を現した。八戸市下長中時代には、全国中学大会の回転で2位に食い込んだほか、全日本ジュニア選手権アルペン技術系の回転、大回転2種目で頂点に立った。

 中学卒業後は故郷の八戸市を離れ、弘前市の東奥義塾に進学。100分の1秒を競い合う厳しい種目だけに、妥協することなく自らに厳しい練習を課している。  「夢は世界レベルの大会に出ること」。その大きな夢をいつか必ずかなえるため、鮮やかなシュプールを描き続ける。



■ 「生涯スキー」普及
  菊池 正八さん(大鰐町)

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生涯スポーツとしてスキーの発展と普及に尽力した菊池正八さん
 全日本マスターズスキー大会の原型をつくり、生涯スポーツとしてのスキー競技の普及に貢献。2008年11月、発足以来32年間務めてきた県マスターズスキー協会の会長を勇退し、これまでの経験を生かすために顧問に就任した。

 スキー歴は70年以上。五所農林から明大に進み、飛躍・複合のトップ選手として活躍した。その後、県スキー連盟などで要職を務める傍ら、後進の指導やマスターズスキー大会の発展に尽力。自身の競技生活は3年前に終えたが、体は健康そのものだ。現在も趣味で続けており「スキーのない生活は考えられない。あと10年で100歳だが、いけるんじゃないかな」と意気軒高。スキーへの愛はまだまだ燃えている。



■ 強豪を次々育成
  鯵ケ沢相撲錬成館丹代道場(鯵ケ沢町・齋藤孝夫館長)

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けいこに励む鯵ケ沢鯵ヶ沢,鰺ヶ沢,鰺ケ沢町の丹代道場の子どもたち
 「丹代道場」の出発点は1988年、東京都内で開かれた全国少年相撲立川大会。小中学生5人の団体戦に西郡選抜チームを編成、森田村(現つがる市)の丹代青果がスポンサーとなって出場した。その後も「丹代」の名前で全国大会に出場、91年に団体優勝するなど、全国屈指の強豪として名をはせる。

 鯵ケ沢鯵ヶ沢,鰺ヶ沢,鰺ケ沢町の町議齋藤孝夫さんは95年、自宅近くに土俵を整備し「鯵ケ沢鯵ヶ沢,鰺ヶ沢,鰺ケ沢相撲錬成館『丹代道場』」と名付けて館長となり、現在の道場の礎を築いた。

 未就学児から中学生まで、女子を含む25人が平日の午後4時半から7時までけいこに励む。「相撲を通じ、何事も集中して一生懸命やれる人になってほしい」と齋藤さんは願いを込める。




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