東奥日報 東奥賞


第3回東奥文学賞


◇大賞(賞金100万円)
 「北の神話」  青柳隼人(青森市)


 第3回東奥文学賞は、大賞に青柳隼人さん(青森市)の「北の神話」が決まりました。

 第3回となる今回は、県内外から75編の応募があり、1次選考で5作品を選定し、ともに弘前市出身で、直木賞作家の長部日出雄さん、文芸評論家の三浦雅士さんが最終選考を行いました。

 東奥文学賞は、2008年の東奥日報創刊120周年を記念して創設。新人作家の発掘・育成を目的に、県内在住者および出身者を対象に、ジャンルを問わず、小説(400字詰め原稿用紙100枚以内)を募集しました。

 贈呈式は2月5日、青森市の東奥日報社で行う予定です。



青柳隼人さん受賞の言葉/「風土に根張る作品」を

 このたびは名誉ある賞を頂戴し、ありがとうございます。現在の東奥文学賞の前身さらにその前の文学賞から数えれば、冠こそ替わりましたが、長い歴史を誇る文学賞と心得ています。受賞を光栄に思います。

 これも1971年から現在まで懇切に指導くださった「北狄」同人諸氏と、いつも励ましてくれた先輩友人のおかげであります。心から御礼申し上げます。

 また、現場の第一線を退いて以来、家事や雑事の煩わしさから一切離して、執筆専念の二十四時間という新しい自由な日常を与えてくれた家人にも、感謝の意を捧げたい。

 創作という作業は体力と知力を要します。それが最近ようやく身に沁みてきました。いかに今まで生ぬるい習作を綴っていたものか、と今頃になって気づいています。

 私が尊敬する三浦哲郎師は、かつて講演で「今ほど文学の中央集権が崩れたことがない。これからは地方文学の時代になる。周囲を見回して、風土に根を張った作品を書いて欲しい」と言われました。

 師は、文学の世界に地域格差は存在しない、と主張されたのでありましょう。この訓えを常に胸におさめ、根気がつづくかぎり執筆に励みたいと思います。

 さて、私には夢が二つありました。まず一度でいいから大きな文学賞を受けたかったこと。もう一つの夢は、図らずも今回の受賞作の中に盛りこむことで叶えられました。

 ただこの夢の実現は、独りの力ではどうしようもありません。幸い自由人という立場になった今、文章の力で訴えたく題材としたものです。この作品で関係する機関・者の方々にご迷惑が掛からないことを望みます。

 2020年を目指して新しい医療構想が実現し、北国の街が一層発展して、住民の皆様の幸せにつながるよう切に願います。

 ◇

 <あおやぎ・はやと 1946年1月8日、上海市で出生。旧小湊町に引き揚げた後、結婚を機に青森市へ。法政大学経済学部卒。無職。「平内町素の会」会員。1975年に第4回青森県文芸新人賞受賞。「北狄」同人。本名・三浦康久>




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