| 2009年9月29日(火) |
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地方の私鉄で、京王電鉄など大手私鉄から譲り受けた中古車両を改造したり、装飾したりする動きが相次いでいる。少子化やマイカーの普及で、地方私鉄の経営が厳しい中、既存車両を活用して投資額を抑えつつ、「お色直し」をすることで魅力を向上させ観光客らを呼び込む狙いだ。 ▽富士山を眺望 山梨県の富士急行は、京王電鉄の旧5000系の2両編成を改造したレトロ調の「富士登山電車」の運行を8月9日にスタート。車内は、富士山を眺められるように車窓に面したいすや、円形の窓の「富士見窓」、幼児が中に入れる円形のベビーサークルを設けるなど遊び心に満ちている。昔の車両のように床やいすの一部分に木材を使うなど、温かみのある自然素材を採用。車体は開業当初の「さび朱色」にした。 九州新幹線の車両デザインで知られ、富士登山電車のデザインも手掛けた工業デザイナーの水戸岡鋭治(みとおか・えいじ)氏は「この電車の窓という額縁から富士山を眺め、魅力を再認識してほしい」と期待する。富士急の堀内光一郎(ほりうち・こういちろう)社長は「単なる移動手段ではなく、観光資源として乗ることが目的となり、安らぎを得られる電車ができた」と満足そうだ。 群馬県の中央前橋―西桐生間を結ぶ上毛電気鉄道(前橋市)は、京王電鉄井の頭線の旧3000系の一部に四季折々のイベントにちなんだ装飾を施している。9月中旬から10月末までは、車内にハロウィーンのカボチャなどを飾った電車を運行。その後も紅葉やクリスマスをテーマとした装飾電車を走らせる。 海のような青色の天井にクジラやイルカなどが泳いでいるようなイラストが描かれている2両編成の「はしる水族館」も昨年7月から登場。上毛電鉄は「群馬県は海がないため、電車の中で海の雰囲気を味わえるようにした」と話す。 ▽ネコの電車 ネコの電車も評判だ。旧南海電気鉄道貴志川線を引き継いで発足した和歌山電鉄は、貴志駅(和歌山県紀の川市)の駅長を務める人気三毛猫「たま」を題材にした「たま電車」を今年3月に登場させた。2両編成の南海からの中古車両の外観は、たまが歩いたり、寝転んだりとさまざまなポーズのイラストで埋まっている。車内も三毛猫柄のシートを用意し、ネコに関する書籍が並ぶ本棚も設けるこだわりぶり。 国土交通省によると、2007年度の地方鉄道93社の鉄道事業の経常収支は、うち8割弱が赤字となっており、各社は中古車両の改造などの工夫でてこ入れが急務だ。交通ジャーナリストの浜田拓郎(はまだ・たくろう)氏は「観光客を呼び込むには車両に新たな価値を持たせるほか、駅舎の装飾や周遊切符の充実、沿線の街並みの紹介などにも取り組むことが重要になる」と指摘している。 (共同通信社) |