2007年6月26日(火) 東奥日報 特集

スクランブル

INDEX▼

  
■ ラクダ主になりませんか/サハラ遊牧民を支援

 ラクダのオーナーになりませんか―。パリ在住の女性が昨秋、サハラ砂漠で購入したラクダを遊牧民に無償貸与する「ラクダ・オーナープラン」をスタートさせた。アルジェリア南部でラクダ使いを営む遊牧民の生活支援が目的だが、オーナーになればラクダに好きな名前を付けたり、現地で自分のラクダに乗れるなど楽しみも一杯だ。

 ▽1頭4万―8万円

 この女性はデコート豊崎(とよさき)アリサさん(36)。父親がフランス人、母親が日本人のデコートさんは通訳の仕事がきっかけでサハラ砂漠に魅せられ、アルジェリアの遊牧民トゥアレグ族に関する執筆活動を開始。現在は日本からサハラ砂漠をめぐるツアーを企画している。

 ラクダは雄が三百―四百五十ユーロ(約五万―七万五千円)、雌が二百五十―三百五十ユーロ(約四万二千―五万八千円)。

 注文を受けてからラクダ市場で買い付け、アルジェリア南東部のオアシス、ジャネットでトゥアレグ族のラクダ使いに貸与する。世話はラクダ使いが行い、得られた収入はえさ代や給料となる。

 デコートさんは昨年十二月、隣国のニジェールでラクダ六頭を買い付けて約九百キロの砂漠の道のりを連れてきたほか、ジャネットでも買い付けをした。

 ▽「マイラクダ」

 ラクダを購入すれば、好きな名前を付けることができるほか、ウェブサイトに定期的に掲載される「ラクダ通信」で様子を知ることも可能。現地ツアーに参加して、自分のラクダで砂漠を旅することもできるという。

 すでにフランス人や日本人数人のオーナーがいる。ラクダは「田中」「POP」「シュンイチ」などと名付けられ、名前が刻まれたプレートを首から下げている。

 札幌市の三浦麻衣子(みうら・まいこ)さん(24)は最近、茶色の雄を購入し「ミクト」と命名、購入のいきさつなどをインターネット上の日記に公開した。「ラクダを買うことを通じて、気楽に遊牧民の支援ができるのが魅力」と話す。

 ▽伝統復活を

 ジャネットなどでは最近はラクダも減り、トゥアレグ族の多くは観光業に従事。秋から春の観光シーズン以外は仕事がなく、出稼ぎに行ったり、砂漠での密輸に手を出す者もいるという。

 デコートさんは「オーナープランを通じ、トゥアレグ族が昔から生活の糧としてきた伝統的なラクダの飼育が活気づけばうれしい」と夢を語る。

 問い合わせは電子メール(mailto:alissa@sahara-eliki.org)まで。ウェブサイトはhttp://www.sahara-eliki.org(共同=島崎淳)




HOME