2007年3月24日(土) 東奥日報 特集

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■ 消防にテロ対策の最新機材/政府、07年度中に配備

 放射性物質や生物、化学剤などを使ったテロに備え、政府が各地の消防への最新機材の導入を進めている。使用物質を素早く見極め、除去するのが被害を最小限に抑える鍵。これらに有効な機材を二〇〇七年度中に配備する方針だ。

 ▽数分で絞り込み

 新たに配備するのは、(1)数分で有害物質の種類を絞り込む簡易型の「検知キット」(2)被害者に付着した有害物質を洗い流す「大型除染システム」―の二つ。政府は、昨年の北朝鮮の核実験などを受け、「大規模テロを意識した機材が必要」(総務省消防庁)として〇七年度予算案に計上予定だったテロ機材整備費二億七千五百万円を二月に成立した〇六年度補正予算に前倒しして盛り込んだ。

 このほか、〇六年度当初予算で措置した、大型ファンからの強力な風で煙や有毒ガスなどを排気する「大型ブロアー車」は今年一月に札幌、名古屋など五カ所の消防に配備済みだ。

 現在もテロに使用された物質を判定する生物剤、化学剤、有毒ガスの三タイプの専用検知器があるが、総務省消防庁の担当者は「今の機器では特定に約十五分かかり、その間に被害が広がる恐れがある」と明かす。

 簡易型検知キットは生物剤、化学剤に対応。試験紙や溶液を使い、色の変化などで、テロに使用された有害物質の種類を数分程度で絞り込む。特定には至らないが、早期に有害物質のめどをつけることで医療機関が被害者の応急治療に生かせるという。全国六十六の消防本部などに配備する。

 ▽1時間に200人

 大型除染システムは髪や皮膚に付着した放射性物質や炭疽(たんそ)菌などを洗い流し、被害者の生存率向上や医師らへの二次汚染防止を図るのが狙いだ。特殊ビニール製の幅約四メートル、長さ約五メートル、高さ約二・五メートルの立体状の大型テントを三つつなげて設営し、脱衣室、シャワールーム、着衣室の順で使用する。シャワールームでは上や横から高圧温水が噴射。放射性物質などを洗い落としてから病院に搬送する。

 消防庁によると、大型除染システムは一時間に二百人の処理ができ、従来の消防の小型テントの十―二十倍、陸上自衛隊の除染システムの四・五倍の性能を誇る。東京など大都市の消防本部など数カ所に配備の方針だ。

 大型ブロアー車は地下鉄駅構内やビルなどの閉鎖空間に充満した有毒ガスや煙を秒速四十五メートルの強力な風で排気する。放水も可能だ。ロンドン地下鉄爆破のようなテロの際に現場の煙などを拡散させる効果がある。

 軍事評論家の江畑謙介氏は「予算面の問題はあるが、テロ対策機材の導入は遅いくらいだ」と指摘する。




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