2012年2月6日(月) 東奥日報 特集

断面2012

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■ 造反発言が波紋/小沢氏、倒閣モード

 民主党の小沢一郎元代表が消費税増税関連法案への造反を明言したことは党内外に波紋を広げた。野田政権の最重要課題にノーを突き付けた「事実上の倒閣宣言」(閣僚経験者)で、菅直人前首相を退陣表明に追い込んだ「不信任政局」の再現狙いとの見方も出ている。ただ政治資金規正法違反事件の公判を抱える小沢氏も余裕はない。4月に予定される判決前に政局の主導権を握ろうとの焦りも見え隠れする。

 ▽宣戦布告

 「そこらの若手議員じゃない。元代表、元首相が反対だと言っている」。6日の参院予算委員会。自民党の礒崎陽輔氏は、小沢氏が共同通信のインタビューで消費税増税法案採決に反対すると断言し、鳩山由紀夫元首相とも反対姿勢で一致したことを踏まえて質問した。「お膝元で火が付いて、(消費税増税の与野党協議参加で)自民党に説教している場合か」と畳み掛けた。

 野田佳彦首相は「最終的に従っていただけると確信している」と平静を装い、自ら説得に乗り出す意向を表明。民主党の輿石東幹事長も記者会見で「機会があれば、小沢氏と話し合ったり、意見交換したりする場合が出てくるかもしれない」と話したが、翻意を促す筋書きは描けていない。

 「本当に法案採決に反対すると明言したのか」。小沢氏の周辺議員にはインタビューの報道直後から内容を確認しようとする電話が相次いだ。「これは宣戦布告だ。気を引き締めろ」。議員はそのたびに“決起”に備えるようアドバイス。主戦論は高まりつつある。

 ▽結集

 「その場になってみないと分からない」。小沢氏は内閣不信任決議案に同調する可能性を否定しなかった。民主党幹部は「小沢氏は(同調を)断言したわけではない」と期待をつなぐが、小沢氏は昨年、鳩山元首相と連携。約70人の議員を集め、不信任案への賛成をちらつかせて菅前首相を退陣表明させた前例がある。

 小沢氏の動きは当時を想起させる。消費税増税をめぐる議論が本格化し始めた昨秋以降、グループ議員を積極的に呼び集めて、反増税のメッセージを繰り返し発信。環太平洋連携協定TPP)交渉参加問題でも、控えめだった当初の姿勢から「反対」を鮮明にさせており、反野田勢力の結集が念頭にあるのではとみられる。

 「大改革を何もしないで増税するのは国民を愚弄(ぐろう)する背信行為だ」。小沢氏の発言記事を回し読みするよう呼び掛ける案も周辺議員からは浮上する。

 ▽最初のヤマ場

 このタイミングで小沢氏が踏み込んだ発言をしたのはなぜか。周辺は「3月が最初のヤマ場になるとの見通しに傾きつつある」と指摘する。

 首相が解散に踏み切れば小沢氏のグループ議員は苦戦が必至。仮に無罪判決が出ても復権の基盤は大きく揺らぐ。新党構想を模索する地域政党などに先駆けて動かざるを得ないとの事情がある。

 自民党幹部は「2012年度予算案が衆院を通過すれば、3月には参院で首相問責決議案が提出される」と揺さぶりをかけている。消費税増税法案の採決が想定される6月の今国会会期末を待たず、早い段階で首相に圧力をかけ、場合によっては退陣を迫る算段だとの分析だ。

 民主党関係者は「小沢氏とこうも立場が違ってしまえばどうしようもない。首相が繰り返し『不退転の決意』を口にしているのは、解散して信を問うとの意味だ」と指摘。激突が近いとの見通しを語った。

(共同通信社)




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