| 2012年2月3日(金) |
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日米両政府が見直しに着手した在沖縄米海兵隊約8千人のグアム移転。米側は対中国戦略に加え、予算の承認権限を持つ米議会側にグアム移転など日米再編の進展をアピールする狙いがあった。ただ移転見直しとワンセットの米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設は説得力が弱まり、移設計画の切り離し論が浮上しかねない。 ▽意義 「抑止力を維持しながら、沖縄の負担を早期に軽減していくという考えの下、米側と静かに協議している」。3日夜、玄葉光一郎外相は外務省で記者団に対し、グアム移転見直しの意義を強調した。 米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)より南の施設の大幅返還につながる海兵隊約8千人のグアム移転。計画が進まない現状は、沖縄の負担軽減の障害の一つだ。日米両政府の見直しで施設返還が実現すれば、実績としてアピールできるとの思惑があるのは間違いない。 ただ、グアム移転とそれに伴う土地返還は普天間飛行場の辺野古移設とワンセットとされてきた。政府は従来「辺野古移設の進展が嘉手納より南の土地返還につながる」との理屈で沖縄側に辺野古移設進展を求めてきた。米側の都合による今回の見直しの動きによって沖縄側から「パッケージ論」解消を求める声が強まるのは確実だ。 沖縄を離れる海兵隊の構成が変われば、返還対象の施設が見直されることにもつながりかねない。玄葉氏は具体的な説明を求める記者団に繰り返した。「一定の柔軟性を持ちながら協議している。現時点でこれ以上の詳細は差し控えたい」 ▽移転費復活 アジア太平洋地域を「最優先」とする新国防戦略を打ち出したオバマ米政権。世界有数の軍事大国、中国を意識した軍部隊の再配置が重要課題だ。 米国防総省によると、中国は台湾海峡有事などを想定し、米空母や戦闘機を寄せ付けないようにする「接近拒否戦略」を推進。2000年以降、対艦弾道ミサイル「東風21D」など同戦略実現に向けた装備の充実を図っている。 オバマ政権はオーストラリアへの海兵隊の配置を決定。しかし在沖縄海兵隊のグアム移転は普天間飛行場移設問題で暗礁に乗り上げている。 グアム移転の米側負担が当初見込みの約3倍の計約291億ドルに上るとの試算などもあり、オバマ政権は議会の圧力でグアム移転関連費約1億5千万ドル(約114億円)の12会計年度(11年10月〜12年9月)予算からの全額削除を余儀なくされた。 11月はオバマ米大統領の再選が懸かる大統領選を控え日程が立て込んでいるため、早期に移転費復活を図りたいとの思惑が今回の背景にある。 また中国本土からの距離が近いグアムなどに一定以上の戦力を集中させるより、一撃で壊滅的な打撃を被るような事態を回避する方策を探っていることも今回の裏側にはあるとみられる。 ▽普天間見直しを 県外移設を求めている沖縄県。幹部は「普天間の移設先もこの際、名護市辺野古を見直してもいいのではないか」と期待を込めた。 辺野古移設に反対する名護市議は「海兵隊の存在意義が米国の議会や識者の間で問われている。沖縄に本当に新基地が必要なのか。気付いていないのは日本政府だけだ。考えをあらためてほしい」と要望した。 (共同通信社) |