| 2006年10月18日(水) |
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「教育再生会議」が十八日スタートし、安倍晋三首相は初会合で「再生会議を私の下に設置することにご理解いただきたい」と、官邸主導で教育改革を進める姿勢を明確にした。教員免許更新制の導入といった制度論に加え、首相や有識者委員がそろって口にしたのは「規範意識の向上」。首相が目指す「美しい国」づくりに向けた教育改革の行方がおぼろげながら見えてきた。 ▽安倍―山谷ライン 「室長は義家弘介さん(ヤンキー先生)にお願いしようかと思うのですが」。十月初旬、山谷えり子教育担当首相補佐官の提案に、首相は「いいじゃないか。私もよく知っているよ」と快諾した。室長だけではない。百人を超えるリストから有識者委員を選考したのも、首相―山谷ライン。教育の専門家に精通しているはずの文科省には相談もなかった。 だが文科省の関心は別にあった。再生会議発足に「文科省外し」と危機感を強めた文科省は、同会議の委員に誰が選ばれるかより、事務局に幹部を送り込めるかが勝負どころとにらんだ。 文科省が事務局人事を重視したのは、故小渕恵三元首相が設置した「教育改革国民会議」での“成功体験”があるためだ。事務局中枢を旧文部省幹部で固めた結果、「委員の先進的意見を取り込みつつ、これまでの教育も否定しない役所にとって最良な形になった」と、ある幹部は振り返る。 「再生会議でも」ともくろんだ文科省幹部は、自民党文教族らへの働き掛けに奔走。結局、副室長ポストを獲得し「官邸も配慮してくれた」と満足げだ。 ▽二段階改革 初会合で首相はまず教員免許更新制と学校評価制度の導入の必要性を訴えた。これらは中教審や文科省もレールを敷きつつある“既定路線”だ。 文科省幹部は首相の構想を「二段階改革論」と分析する。第一段階で世論の高い支持が見込まれる教員免許更新制などを打ち出し、来年夏の参院選に向けて実績をアピール。二段階目で首相が初会合で提言した(1)規範意識や情操の涵養(かんよう)(2)体験、奉仕活動の実施(3)学校の規律確立(4)伝統や文化の学習―などの「安倍色」の強い改革を目指すのではないか、という見立てだ。 首相の提言に呼応するかのように、初会合では委員の多くも子どもの規範意識、規律の低下を嘆き、「心の教育」の必要性を唱えた。 ▽中教審に警戒の声 それらを実際にどう教えていくかを定めるのは学習指導要領。同要領改定に関する中教審の中間報告は、教育基本法改正案の審議が進んでいないこともあり遅れ気味だ。再生会議の報告を改定に間に合わせ、影響力を発揮しようとしているのではないかとみる教育関係者は少なくない。 自民党文教族議員は「家庭教育などの領域に踏み込むのではないか」と予測。中教審委員の梶田叡一兵庫教育大学長は「中立性を保ちながら幅広い意見を積み重ね、決まりかけた指導要領の内容に、政治主導の注文がつくのは好ましくない」と強く警戒する。 成果を急ぎたい再生会議に対し、与党側も「教育再生協議会」などを設置し、必要に応じて注文を付ける構えだ。河村建夫自民党文教制度調査会長は「教育への財政支出も扱い、骨太の議論をしてほしい」と指摘。北側一雄公明党幹事長も「与党と関係なく諮問会議のように教育改革が進むのは問題だ」とくぎを刺す。与党との駆け引きも焦点になりそうだ。 |