2004年7月7日(水) 東奥日報 特集

断面2004

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■ 球界再編進めたプロ野球オーナー会議/経営優先、球団さらに削減

 プロ野球の近鉄・オリックスの合併に続き、パ・リーグでもう一組の合併協議が進んでいることが七日のオーナー会議で明らかになった。関係者によると、ダイエーとロッテの合併案が浮上している。巨人の渡辺恒雄オーナーらが推進しようとしている10球団による1リーグ制が一気に現実味を帯びた。球団存続と2リーグ12球団の現行システム維持を願う選手会やファンの声は無視されたまま。経営優先の理論だけで、球団削減による球界再編の流れが加速している。

 ▽シナリオ通り?

 26年ぶりにオーナー会議に出席した西武・堤義明オーナーが新たな激震を引き起こした。「パでもう一組の合併話が進行中」と報告。「衝撃的だった」と驚いたセ球団のオーナーもいたが、議長を務めた渡辺オーナーらにとってはシナリオ通りだったのかもしれない。

 かねて1リーグ制を提唱していた渡辺オーナーの説明はよどみなかった。「11球団で1リーグは無理」「2リーグでパ5球団も困難」「10球団になれば1リーグの方がいい」。パで新たな合併協議が進むことを前提に、1リーグ制では10球団を東西に分けて、日本シリーズを存続させるプランまで披露した。

 球団削減に反対する選手会や、なじみのある球団存続を願うファンの声は、オーナー会議には届いていない。渡辺氏は「選手会がNOと言っても、野球協約ではストップすることはできない」と切り捨てた。

 ▽財界も支援

 球界再編の予想以上のテンポには、経済界からの支援も背景にある。これが、各オーナーたちの意を強くさせている。

 奥田碩日本経団連会長や北城恪太郎経済同友会代表幹事ら財界首脳は、プロ球団の赤字体質に懸念し「適正規模での球界運営」を勧めてきた。

 奥田会長は先ごろ「近鉄が年間40億円も損失を出していることから考えると、1リーグ制で球団数を減らすのが合理的」との意見を表明。さらに「日本に12球団は多い。8球団程度なら観客の入りもよく、変化も出て面白い」と、再編の具体案にまで踏み込んだ。

 奥田会長は、巨人の企業経営者の後援会「燦燦(さんさん)会」のメンバーでもある。渡辺オーナーの意向とぴったり符合するアイデアは、1リーグ制が既に経済界のお墨付きを得たことも示唆していた。

 限られたプロ野球市場の中でのパイの奪い合いでは、赤字球団がいくら経営努力しても収支改善は不可能というのが財界の分析だ。1リーグにして「巨人中心に試合を組まないと経営は成り立たない」とも奥田会長は言う。経営論による球界再編でもある。

 ▽大リーグとは逆

 1リーグ制の構想自体は、新しいものではない。赤字に苦しむパ・リーグのオーナー懇談会は一九九四年に「12球団による1リーグ制移行を総意とし、セ・リーグに働き掛ける」と申し合わせた。この時は、巨人戦の収益減を危ぐしたセ側から「野球界全体の発展につながらない」として拒否された経緯がある。

 近鉄・オリックスの合併が表面化し、セ側も考えをあらためた。渡辺オーナーに近い人物は「セだけがもうかり、パは赤字続き。このままでは毎年、球団譲渡も起こりかねない」と危ぐし、巨人がパ・リーグ救済に方向転換したと説明する。

 本場、米大リーグは球団増によるリーグ拡張を図る一方で、収益を分配するなど共存共栄の工夫をこらしてきた。経済大国日本の野球は、球団削減で生き残りを図る。近鉄の礒部公一選手会長の「球団を残せる可能性が1%でもあるなら、その方向に持っていきたい。ファンと一緒に戦いたい」との訴えは、届かない叫びになりつつある。




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