| 2002年12月7日(土) |
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千葉工業大(千葉県習志野市)の学生が設計や開発に携わった鯨生態観測衛星「観太くん」が、今月十四日、宇宙開発事業団のH2Aロケットで、鹿児島県の種子島宇宙センターから宇宙へと飛び立つ。 高度八百キロの極軌道(地球を縦回りする軌道)を約一時間四十分で一周。発信機(プローブ)を取り付けた鯨を追跡、なぞの多い生態を解明するのが目的だ。 プロジェクトが始まって約十年。先輩から後輩へと百人を超える学生が参加しており、学生らは「長年の夢が実現してほしい」と打ち上げ成功を祈っている。 ▽得意分野で連携 この衛星は一辺約五十センチの立方体で、重さ約五十キロ。鯨の回遊周期の一−二年は観測を続ける。通常は約三十億円かかるが、民生部品などを利用してわずか八千万円で製作した。 プロジェクトを指導してきたのは、日本初の人工衛星「おおすみ」など二十を超える科学衛星の開発に携わった林友直同大教授(75)=電気工学=。 発案は約十年前。鯨の観測衛星作りという林教授の提案に、当時研究室にいた学生らが賛同。ポスターやチラシでメンバーを募集、約二十人が集まった。 電気工学科だけではなく、模型作りを工業デザイン学科の学生が担当するなど、それぞれの得意分野で連携。一九九三年には日本航空宇宙学会などが主催する衛星設計コンテストに入賞し、その後、宇宙開発事業団が大型衛星と一緒に打ち上げる相乗り衛星の候補に選ばれた。 ▽就職面接の突破効果も 大学院生として参加し、東芝に入社後、宇宙開発事業団に出向中の渡辺一尊さん(34)は「最初ははんだ付け一つを取っても素人のため不良が多く苦労した。でも、学科を超えて純粋に衛星作りができて楽しかった」と振り返る。 中には就職面接で「鯨衛星」について熱心に説明、見事に採用を決めた学生が現れるなど、プロジェクトには意外な「効果」も。 昨年、大学側が衛星の愛称を募集したところ、国内外から一万件を超える応募が殺到、「観太くん」と名付けられた。 最終目標は体長三十メートルに達する世界最大の動物、シロナガスクジラの生態の解明だ。当初はマッコウクジラ二頭にラグビーボール大のプローブを取り付け、順次対象を増やす。 もっとも鯨への取り付けは難しく、ホエールウオッチング関係者らの協力を得て、現在も鯨を追っ掛け中。打ち上げ後は千葉工大の地上管制局を通じて、鯨の回遊の様子を観測する。 林教授は「大学でやったからこそ、百人を超える学生がかかわれた。より多くの人が宇宙にチャレンジできるよう、小さな衛星が頻繁に打ち上げられるようになれば」と話している。 |