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  • 2017年10月6日(金)

希望・小池代表出馬固辞/待望論「広がり欠く」/都政投げ出し批判考慮

 希望の党代表の小池百合子東京都知事が5日、衆院選への不出馬を民進党の前原誠司代表に伝えた。都政を投げ出すことによる批判を考慮したとみられる。「排除の論理」を振りかざしたこともあり、「『小池待望論』はまだ全国的な広がりを欠く」(希望関係者)との判断も背景にありそうだ。小池氏頼みの党内からは党勢失速の懸念が漏れ、前原氏は6日、再要請に臨む方向だ。

 ▽ラブコール

 前原氏「やはり小池さんがいい。とにかく出馬してほしい」

 小池氏「最初から私の出馬はございません」

 5日昼、東京・新宿のホテル。前原氏は出されたエスニック料理に手をつけることなく、口説き続けたが、小池氏は首を横に振るばかりだった。

 会談直後、小池氏は記者団に「熱望、ラブコールをいただいた」が断ったと明らかにした。前原氏に、第2の党の顔となる首相候補を早期に決定することは約束した。

 前原氏は前日、会談を事前予告。「首相候補がいない政権選択の選挙はない」と訴え、小池氏出馬に向けた機運醸成に努めた。前原氏周辺は「民進を『解党』してまで希望に合流したのに、小池氏が出ないのは誤算だ」と胸の内を代弁する。

 ホテルを後にした小池氏は都庁でも記者団に不出馬の意向を重ねて強調。希望関係者は「これだけ繰り返せば、もう期待できない。出馬すれば選挙戦も盛り上がるのに残念だ」と肩を落とした。

 ▽課題山積

 小池氏は党結成表明の9月25日以降、出馬を否定し続けたが、党内では立候補するとの見方が消えなかった。与党でも「政権獲得の道筋が見えた時は出馬する」(自民党幹部)とささやかれた。要請固辞は、単独での政権奪取が厳しく「首相の座」が遠のいたとの計算が働いた可能性もある。

 都政を巡っては、2020年東京五輪・パラリンピックへの準備や、築地市場の豊洲移転など難題が控える。知事の任期満了まで2年10カ月を残して国政復帰すれば無責任だとの批判は必至だ。

 一方、民進から希望への合流過程ではマイナスイメージも生んだ。小池氏の「排除」路線が際立ち、非合流組が結成した立憲民主党にかえって注目が集まっている。

 希望の党は、小池氏率いる地域政党が圧勝した7月の都議選の再来を狙い、首都圏での躍進を期待するが、地方への浸透が課題となっている。民進と希望の候補者調整を巡っても、「小池人気」が地方に十分波及していない現状認識がうかがえた。希望側は用意していた新人の擁立を求めたが、民進側は事前調査を示し「地方では東京のようなわけにはいかない」として、民進側が内定していた支部長を公認した。

 1日の共同通信社の世論調査で「どちらが首相にふさわしいか」との質問でも安倍晋三首相45・9%に対し、小池氏は33・0%にとどまった。

 ▽三顧の礼

 とはいえ、希望内で小池氏出馬への期待は今なお根強い。前衆院議員の事務所では「小池氏を説得してくれ」との電話が鳴りやまない。

 5日、小池氏は選挙後の首相指名を巡り、自民党が社会党の村山富市委員長を担いだ1994年の自社さ政権に言及し、「水と油が手を結んだ」と指摘。希望の公認作業では、自民党の石破茂元幹事長ら首相と距離を置く前職への対抗馬擁立が見送られており、獲得議席によっては与党分断を狙う戦略との臆測もある。官邸筋は「希望単独の政権が無理でも、小池氏は政権樹立に色気がある証拠だ」と警戒する。

 諦めきれない前原氏は6日も小池氏と会談する。民進関係者は「三顧の礼で小池氏出馬につなげたい」と望みをつなぐ。

(共同通信社)

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