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  • 2017年10月5日(木)

希望の党公約素案/対政権、半身の構え/衆院選後見据え布石か

 希望の党が4日、消費税増税凍結などを掲げた衆院選公約素案を作成した。与党との対立軸を構築し、安倍政権への批判票の取り込みを目指す。一方、憲法改正安全保障関連法を巡っては自民党と連携の余地を残し、半身の構えがのぞく。候補者の1次公認では公明党などにも配慮しており、獲得議席次第で「選挙後の政界再編を狙った布石ではないか」(自民党関係者)との臆測も出ている。

 ▽差異

 「自民党ができないようなことをする。大胆な改革を進めるのが新党の役目だ」。4日、東京都庁入りした希望の党代表の小池百合子知事は、記者団に自民党との違いを有権者に訴える姿勢をアピールした。

 公約素案では、消費税増税凍結のほか、2030年までの原発ゼロといった政権と正反対の政策が並ぶ。経済政策は「ポスト・アベノミクス」と銘打ち、加計学園問題を念頭に「おともだち厚遇ではない規制改革」を主張し、安倍晋三首相を当てこすった。

 だが対決一辺倒ではない。自民党の党是でもある改憲をうたい「自衛隊の存在を含め、時代に合った憲法の在り方を議論」するとした。安保法も容認し、野党第1党の民進党が、これまで政権への対立軸として重視した二つのテーマは違いが見えにくくなった。公約策定に携わる関係者は「この分野で自民党と差異を出すなと小池氏の指示があった」と明かした。

 この日、小池氏からは党のスタンスに関わる発言も飛び出した。記者団から、安倍首相が総裁でなくなった場合の自民党との連携の可能性を問われ「選挙の結果次第だ」と含みを持たせた。

 ▽シグナル

 希望の党が3日に発表した1次公認候補者を巡っても政権への微妙な距離感がうかがえた。

 小池氏は定数の過半数の候補を擁立し政権奪取を目指すものの、自民党の「ポスト安倍」候補の石破茂元幹事長や野田聖子総務相への対抗馬擁立はなかった。お膝元の東京でも石破派幹部の鴨下一郎元環境相の選挙区には立てなかった。

 小池氏は国会議員時代の12年の自民党総裁選で石破氏を支援した経緯がある。最近も連絡を取り合っており「連携に向けたシグナル」との見方もある。

 公明党への配慮は露骨だ。同党候補が立つ9選挙区全てで擁立を見送った。小池氏は衆院選後の首相指名選挙の対応について山口那津男公明党代表の名前を挙げるなど秋波も送り続けている。

 後見役の細川護煕元首相から「国政を考えるなら公明党を大事にしろ」と助言を受けたこともあり、小池氏は公明党の支持母体、創価学会の原田稔会長と極秘裏に会談するなど気遣いがにじむ。

 ▽懸念

 与党は警戒を強めている。自民党幹部は仮に与党が過半数割れしたり、与野党が伯仲したりした場合、小池氏が自民党内に手を突っ込む算段だと読む。「党内の首相に批判的な勢力がどう動くか分からない。公明党を小池氏側に引きずり込むことも考えているのだろう」と懸念する。

 小池氏の揺さぶりに対し、自民党は公明党との連携強化に躍起だ。解散後、異例の首相と山口氏そろい踏みの街頭演説が既に2回も行われた。少なくとも1回は首相サイドからの申し入れだった。首相は「自公政権は18年の風雪に耐えた連立政権だ」と結束アピールに余念がない。

(共同通信社)

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