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  • 2017年9月28日(木)

きょう衆院解散/前原、小池氏の利害一致/野党再編へ風雲急

 衆院解散を28日に控え、野党第1党の民進党が「解体」の局面を迎えた。前原誠司代表が与党と互角の選挙戦を目指し、小池百合子東京都知事が代表の新党「希望の党」へ多数の候補者を糾合する方針が明らかになったからだ。離党者が相次ぎ、党の存亡が懸かった状況の前原氏と、資金や組織に強みのある民進党を抱き込める小池氏の利害が一致したことが背景にある。10月10日公示、同22日投開票の衆院選を前に、政界は野党再編に向け風雲急を告げた。

 ▽奇策

 「合同でやりましょう」。26日、都内で極秘に向かい合った前原、小池両氏と民進党最大の支持団体、連合の神津里季生会長は衆院選に向け協力を確認した。

 野党が乱立して「非自民票」を食い合えば、安倍政権への批判票が分散して共倒れになる。そこで民進党の衆院議員らが希望の党から出馬する奇策が編み出された。

 前原、小池両氏は日本新党で行動を共にした仲。連合も7月の都議選で、連合東京が小池氏率いる地域政党の候補を応援した経緯がある。

 前原氏はもともと野党再編論者で「解党」「分党」も辞さない考えの持ち主。党勢低迷を再編で打開したい党内の期待に後押しされ、先の代表選に勝利した。だが「離党ドミノ」が止まらず、求心力の低下を招いていた前原氏にとって、小池氏との共闘は渡りに船だ。

 小池氏側のメリットは「民進党の資金と経験豊富な人材、選挙の手足となる連合の組織」(民進党関係者)。小池氏は25日の記者会見で「日本新党以来の付き合いで、しっかりコミュニケーションを取れる」と前原氏に秋波を送っていた。

 ▽本音

 前原、小池、神津3氏の会談では、候補者調整を巡り激論が交わされた。民進党議員が新党に「合流」する際、小池氏が選別すると主張したためだ。保守を掲げる同氏としては民進党内の左派、リベラル系の参加は認めたくない本音があるとみられる。前原氏は反発。今後、民進党内の調整が難航する可能性は残る。

 前原氏が党内調整を始めたのは27日に入ってからだ。28日の両院議員総会で、今後の選挙対応について一任を取り付けたい考えだが、了承を取り付けられる保証はない。

 26日、前原氏から説明を受けた枝野幸男代表代行は「にわかに賛成できない。全員公認されるのか」と尋ねた。前原氏は「確約はない。頑張る」と答えるしかなかった。

 一方、「小池さんと一緒になるならそれでいい」と前原氏にアドバイスしてきた自由党の小沢一郎共同代表に異論があるはずはない。今月下旬には前原、小池、小沢の3氏が会談し、選挙態勢について意見交換した。自由党も再編の流れに乗ろうとしている。

 ▽サプライズ

 前原氏の意向が漏れ伝わった27日、民進党内では「党全体が合流だ」「統一名簿方式だ」と情報が交錯。ある衆院議員は早速、「民進党ではなくなるから、選挙用のチラシの印刷は止めろ」と指示するなど、関係者は右往左往した。

 新党を「自民党の補完勢力だ」として連携に慎重な意見もあり、全員が参加を望むとは限らない。閣僚経験者も「新党からの出馬を希望しない者はどうなるのか」と首をひねった。

 「合流」後も小池氏が主導権を握るのは間違いない。政権奪取を掲げながら、本来、首相候補の党首が都知事にとどまるのは疑問視される恐れもある。民進党関係者は、小池氏の胸の内を推し量った。「小池氏が立候補するサプライズがあるかもしれない」

(共同通信社)

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