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  • 2017年9月27日(水)

小池新党が与野党翻弄/「脱出」加速に民進苦悩/自民、対立先鋭化を警戒

 衆院選で全国に候補者を擁立する方針の新党「希望の党」に与野党が翻弄(ほんろう)されている。代表に就いた小池百合子東京都知事の知名度が選挙戦に有利になると見越し、民進党では新党への「脱出」の動きが26日、加速した。自民党は、小池氏が消費税や憲法改正を巡り、安倍政権との対立姿勢を先鋭化させつつあると警戒。都議会で知事と協力関係にある公明党は、小池氏からの秋波に困惑している。

 ▽様子見

 「まさに大義のない解散だ。安倍政権を退陣に追い込むため、一致結束して頑張りたい」。民進党本部で26日開かれた総合選挙対策本部の初会合。本部長の前原誠司代表は居並ぶ幹部を前に、事実上火ぶたが切られた衆院選へ決意を語った。

 しかし、掛け声とは裏腹に、党勢回復の兆しさえ見えない民進党からの「脱出」が止まらない。25日に柿沢未途衆院議員(東京15区)が離党検討を表明し、松原仁元国家公安委員長(衆院比例東京)は離党届を提出(除名処分)。26日は地方でも動きがあった。

 民進党を離党し、希望の党の設立メンバーになった細野豪志元環境相のお膝元の静岡で、民進党の衆院候補予定者の2区総支部長と、4区総支部長が県連に離党届を出した。その後2人は上京。かつて秘書として仕えた細野氏を訪ね、合流する意向を伝えた。党幹部は「離党者はまだ増えそうだ」と表情を曇らせた。

 26日の選対本部会合で、前原氏は希望の党に言及せず、離党者への「刺客」擁立も話題に上らなかった。「様子を見ないといけないという雰囲気だった」(辻元清美幹事長代行)という。執行部は小選挙区で与党と野党が1対1で戦うため、希望の党との選挙区調整など連携を模索するが「勢いは希望の党にあり、見通せない」(幹部)のが実情だ。

 ▽常とう手段

 「相手を挑発し、同じ土俵に引っ張り込んで、とどめを刺す。小池氏の常とう手段だ」。小池氏の25日の記者会見をテレビで見た与党幹部は、矢継ぎ早に政権批判を展開する様子に舌を巻いた。

 小池氏は会見やテレビ番組で、自民党が衆院選公約の柱に据える改憲を巡り、9条への自衛隊明記案には「違和感がある」と指摘。小池氏を改憲勢力と期待する自民党をけん制しつつ、地方分権推進に向けた改正の必要性は挙げ、改憲論議に前向きな姿勢も見せた。

 首相が消費税率10%への引き上げを前提に使途変更を打ち出したのを逆手に取ったのか、小池氏は「景気回復の実感が伴わない」と増税凍結にも言及した。自民党政調幹部は「政策で自民党との対立軸をつくろうとしている。選挙後に改憲などで連携できるのだろうか」と、小池氏との間合いを測りかねる様子だ。

 ▽融和路線

 小池氏は、公明党には融和路線を取る。25日のテレビ番組で、衆院選後の特別国会での首相指名選挙でどう対応するかを問われると、一瞬考え込んでから「山口那津男さんがいいと思う」と公明党代表の名前を挙げた。

 与党はこうした小池氏の言動に神経をとがらせる。連立に疑心暗鬼を生む恐れを心配したのか、公明党の斉藤鉄夫選対委員長は26日、自民党本部に足を運んで塩谷立選対委員長と会談し、衆院選での協力を確認。斉藤氏はこの後、記者団に「国政は自公で戦うのが基本だ。姿勢は1ミリも揺るがない」と明言し、小池氏を突き放してみせた。

(共同通信社)

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