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  • 2017年9月11日(月)

「市区町村の結婚支援事業」/参加者集めに悩みも/自治体間連携で成果

 結婚支援事業について実施自治体からは、独身男女のカップルの成立や成婚の実績だけではなく、地域活性化にもつながると評価の声が目立つ。しかし人口規模の小さい自治体は参加者集めに悩み、中には事業の打ち切りも。一方で、市区町村の枠組みを超えて広域的に連携し成果を上げているケースも見られる。

 ▽過疎化の不安

 「参加希望者が少なく、村で集めるのは難しい状況だ。2017年度は見送らざるを得なかった」。北海道東部にある人口約2500人の鶴居村の担当者が語った。

 村は12年度に結婚支援事業をスタート。乗馬体験や食事会などの交流イベントを開いたものの、思うように人が集まらず翌年から2年に1度に変更した。飲食店が少ないなどイベントの開催場所は限られる一方、アクセスは道東部の中心都市、釧路市から車で30分と悪くないという。しかし、これまでの参加者は村外の49人を含めても100人に満たない。本年度は開催年に当たるが、取りやめた。

 15年の国勢調査によると、村の人口は5年間で約90人減り、減少率は3.5%だった。担当者は「今後も住民の減少は避けられない」と指摘し、過疎化の進行に不安を募らせている。だからこそ事業を活性化したい考えで「近隣自治体と連携できないか検討したい」と話す。

 ▽打ち切り

 鶴居村だけではなく、婚活イベントの参加者の確保に苦労している自治体が多いのが実情だ。

 秋田県八郎潟町では昨年8月、県内有数の盆踊りに合わせてイベントが開催された。だが参加したのは町内外の男女10人。12年度に支援事業を始めたが、参加者は150人で成婚の実績はない。本年度は予算計上しているが、開催は未定だ。

 沖縄県金武町は11年度に始めたが、参加者は年々減少。イベント8回のうち、14~15年度の計2回は定員に達しなかったため取りやめに。「開催ニーズがない」と判断して昨年度に事業を打ち切った。

 町村だけでなく、市レベルからも「募集人数が集まらない」(茨城県高萩市)、「開催回数を重ねるとメンバーが固定化される」(広島県江田島市)といった声が聞かれる。

 ▽メリット大

 福島県白河市や西郷村など9市町村は結婚支援事業に連携して取り組んでいる。旧表郷村(白河市と合併)は単独で実施していたが、参加者が限定されたため04年度に広域連携を近隣自治体に呼び掛け、15年度には9市町村に拡大した。

 事業の主な内容は、婚活パーティーとセミナーだ。17年度はパーティーを4回、セミナーを1回開く計画だ。地元企業の協力を得て、カップルが成立した際の宿泊券などのプレゼントを無償提供してもらっている。

 参加者は、男性は原則住民に限られるが、9市町村合同のため母集団が大きい。女性は他の自治体に住んでいても可能だ。これまでに2800人を超える男女が参加し、215組のカップルが誕生している。

 9市町村の事務局(白河市)担当者は「広域連携のメリットは大きい。参加者を集めやすく、出会う機会が増える。効果的なイベントを開催できる。結婚に至らなくても、地元のPRになる」と強調した。

(共同通信社)

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