2010年3月21日(日) 東奥日報 天地人



 サッカーJリーグ1部のヴィッセル神戸が、今季の初戦から始めた試みがある。本拠地の観客席に床発電システムを取り付け、応援する人が跳びはねる振動で電気を起こす試験がそれ。まだ12席分だが、ゆくゆくは場内の売店などの電力に利用したいという。

 きのう開幕したプロ野球パ・リーグの試合を見ながら、同じ装置が日本ハムの稲葉篤紀選手の応援に使えるようになったらどうだろうと思った。稲葉選手がチャンスで打席に立つと、球場を揺らすほどファンが跳びはねる“稲葉ジャンプ”が起こるからだ。

 プロ野球の試合が延びて3時間を超えたら、照明用などに使われる電力量を二酸化炭素の排出量に換算する。それに相当する資金を自治体に提供し、二酸化炭素の削減につながる森林づくりを支援する。日本野球機構が、試合時間の短縮と結びつけたこんな環境貢献活動に乗りだした。

 きょう選抜高校野球が開幕する甲子園球場には、改修工事で「銀傘」と呼ばれる大屋根に太陽電池パネルが設けられ、発電を始めている。得られるエネルギーはナイター照明などに使う。火力発電の場合に比べ、二酸化炭素の排出量を大きく減らせるという。

 米国や中国が多く出し、日本も出している二酸化炭素などの温室効果ガスで、地球の温暖化が進んでいるとされる。それによって干ばつや洪水が増え、貧しい国の人たちが苦しんでいる。そんな状況の改善に、スポーツ界が環境を意識して投じた“一球”の積み重ねは役立つのではないか。


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