2010年3月7日(日) 東奥日報 天地人



 段取りのよさに舌を巻く。三村知事は1日に経済産業省の資源エネルギー庁長官、2日は事業者の電気事業連合会、日本原燃の両トップと会った。知事が直嶋経済産業相と会って直接話を聞きたいと言ったら、6日に実現した。

 国や事業者の用件は、日本の原発で使った核燃料の再処理を委託した英仏から低レベル放射性廃棄物が返還されるので、六ケ所村で受け入れ、一定期間貯蔵してほしいというもの。事業者は同じ要請を3年半前にもしたが、知事の門前払いに遭っている。

 今回は、国が初めて前面に立ち、しかも波状要請になった。本県を返還廃棄物の最終処分地にしないという経産相の約束も「重く受け止めた」知事は、返還廃棄物受け入れの検討を始めると早速表明した。ここまでは流れるような運び。トラブル続きでモタモタしている六ケ所再処理工場の試運転とは大違いだ。

 受け入れ先が早く決まらなくて返還が遅れると、国際信用にかかわるというのが国の言い分。事業者側は、受け入れの是非論議が来年の知事選に響かないようにしたいらしい。だが、県や六ケ所村は、返還廃棄物の安全性などを急がないで検証した方がいい。

 再処理工場の試運転が計画通り10月に終わるとは限らない。県民が核燃問題も判断する知事選も、そんなに遠くない。出来レースは「あらかじめ示し合わせて、勝負が決まっているのに形式だけ行う競争。八百長」(広辞苑)のこと。一連の流れが出来レース的とみられるのは、誰も本意であるまい。


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