2010年1月4日(月) 東奥日報 天地人



 箱根駅伝は母校愛と郷土愛を呼び覚ます。県勢が走ればテレビ観戦のわくわく度が増し、応援に力が入る。総合連覇を果たした東洋大の9区は、七戸町出身の工藤正也選手。沿道の声援を受け、胸を張ってトップを走る快感が伝わってきた。

 注目は、去年レース途中で体調異変をきたし、無念の棄権に終わった東北町出身の城西大石田亮選手だった。中継所の控室に横たわり「すいません」を繰り返した悪夢から1年、きのうは7区21.3キロを区間2位の好記録で走り抜き、大会前の誓い通り「リベンジ」を果たした。

 気負いすぎた去年の反省から、前半を抑え後半に勝負をかける冷静なレース運び。15キロ過ぎ、給水のペットボトルを受け取ると首や頭に水をかけてギアチェンジ、並走する2選手を振り切った。母校の黄色いたすきをつないだ後は精根尽き、地べたに倒れ込んだ。

 感極まって涙がほおを伝い、荒い息遣いで傍らのチームメートに「ありがとう」の言葉を何度も繰り返した。去年棄権したとき「謝らなくていいから」と温かい言葉を掛けてもらった場面がよみがえり、再起を支えてくれた仲間への感謝を口にせずにはいられなかったのだろう。

 城西大の5区山登りは野辺地町出身の田村優典選手が務め、区間6位の好走を見せた。2人の活躍が総合6位、初のシード権獲得の原動力となった。東洋大の工藤選手を含め3人はいずれも青森山田高の出身。心身を鍛え、たくましく成長した県勢に敢闘賞と殊勲賞を贈りたい。


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