| 2009年1月26日(月) |
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負けない相撲を究め、三十二回まで伸ばした優勝記録は、この恐怖との闘いがあったからなのだろう。同じく若くして横綱になった北の湖も語っている。幕内に入ったころは面白くて早く本場所になればいいと。ところが横綱になると、勝つか負けるか、ものすごく怖かったと(前掲書)。あの憎らしいほど強かった人にしてだ。 昭和戦後の二人の大横綱の言葉を思いつつ、初場所の焦点の人をテレビで見てきた。騒動や故障で休場が長引き、進退が懸かった朝青龍の土俵だ。当たり前に務めても先達たちがぶつかった怖さが、彼の胸中になかったはずはあるまい。序盤戦はそんな展開だった。それが日を追って勢いを取り戻していったのは、やはりこの横綱の非凡さか。 かくて一差の横綱決戦という最高の見せ場へと。本割では白鵬に敗れ全勝は逃したが、決定戦を制しての価値ある復活優勝だ。折れぬ気持ちを支えに自らを鼓舞してきたのだろう。「帰ってきた」との宣言に強い執着がのぞいた。 自分流を貫き再起した朝青龍の、次のステップはさてどうか。頂点に立つ者だけが知る怖さに学ぶことだと、先輩たちは教えている。その辺が鍵になるか。 |