2008年11月23日(日) 東奥日報 天地人



 大相撲の安馬を初めて見たのは二〇〇一年の夏、五所川原商業高校の土俵だった。つがる市出身の元横綱旭富士の安治川部屋(現伊勢ケ浜部屋)の夏合宿でのこと。第一印象は「何てやせっぽち」。将来性を見る目のない、凡眼にはわれながらあきれ返るばかりだ。

 当時の安治川部屋は、安美錦、安壮富士の兄弟力士もそうだが、力士の四股名(しこな)に「安」の字を付けていた。モンゴルから来た二人の力士は下に馬と虎の字が付けられた。安馬と安虎(現虎の山)だ。安馬のけいこを見たが、何せ細く、体重がない。三段目クラスの兄弟子を、土俵際まで追い詰めるのだが、そこで振られると、簡単に吹っ飛ばされた。

 安馬はいくら背中に土俵の土を付けられようとも、すぐに掛かっていく。しまいには兄弟子が音を上げた。やせていて、そのころは相撲もそれほど強くはなかったが、目だけはぎらぎらと光っていた。

 それから七年。今や飛ぶ鳥を落とす勢いだ。序盤こそ番付の下の力士に連敗したが、十二日目には横綱白鵬を豪快に下手投げでほふり、十四日目には大関琴光喜を破って十二勝目。大関昇進を確実にしただけでなく、初優勝も目指す。

 安馬が尊敬する力士は初代の貴ノ花。暇なときには貴ノ花のVTRを見て研究している。貴ノ花の兄で初代の若乃花は、安馬は自分の若いころに似ていると話しているという。そして安馬の師匠は元旭富士。安馬はモンゴル出身だが、本県とも縁が深い。準県出身力士として、応援したい。


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