2008年2月7日(木) 東奥日報 天地人



 中国は陝西(せんせい)省・西安近郊の平原には、果てもなくリンゴ園が広がる。かつて車窓から眺めて驚いたことだった。聞けば東北部に次ぐ生産量なのだと。それら大産地のリンゴに例えば「青森」の名を付けて、店頭に並べたらどうか。日本を知る人ならば「あの青森産か」と、手を伸ばすに違いない。

 そんなことも想像された商標問題で、待ちかねた朗報が届いた。広州市の企業が出願していた「青森」の商標登録を、中国政府は却下した。出願五件のうち、果実や野菜、水産物など二件についてという。「公衆に知られた外国の地名は商標にできない」。この中国の規定に抵触すると、本県側が五年前から異議を申し立てていた。

 青森ブランドを有望市場の中国に売り込む。県や関係団体が取り組んでいる輸出戦略だ。先の商標が認められれば打撃となるだけに、まずは胸をなで下ろしたことだろう。出願者にどんな深謀遠慮があったのか分からぬが、商に優れた国柄でもある。残りの三件も、本県側の異議が通ることを願いたい。

 商標とは文字、図形、記号、もしくはそれらの結合したもの。日本の法律はそう言う。その意味するものは独占権、信用の担保、知的財産などだろう。ものが国境を越えて行き交う時代に、アンテナを敏感にしておかないと痛い後れを取る。今度の問題は、そんな教訓を残した。

 「青森」を冠したリンゴやホタテの商標権を海外でも取得へ。そのための予算を県は新年度に盛る方針という。攻めの戦略に、先手は欠かせまい。


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