Web東奥・天地人20040220
  
2004年2月20日(金) 東奥日報 天地人



 百歳になった山岳スキーヤーの三浦敬三さんは一人暮らし。自分で料理する。よく愛用の圧力鍋なべで骨付きの肉を煮込むそうだ。骨が柔らかくなった頃(ころ)合いを見計らって取り出し、骨ごと食べる。骨を丈夫にし、スキーを一日でも長く続けるためだ。

 圧力鍋は、途中でふたを取って味見するわけにいかない。三浦さんは圧力の加減、調理時間を熟知しているのだろう。家人は、煮え具合を何度も確かめられる分厚い鍋の方が使いやすいかな、と言う。

 サッカーW杯アジア一次予選の日本−オマーン戦では、違う「圧」を感じた。日本選手には、ホームでの初戦を落としてはならないという精神的な重圧があったのではないか。ボールを思い通りにパスさせまいとする相手の圧力も厳しかった。日本は苦しめられた。

 日朝拉致問題協議に臨んでいる政府の方針は「圧力と対話」。日本だけの判断で北朝鮮に経済制裁できる改正外為法が成立した。万景峰(マンギョンボン)号など北朝鮮籍の船を想定した入港禁止法案の国会提出も検討されている。この二つで圧力を強めていけば交渉が有利に運べると読んでいるようだ。

 だが、強硬姿勢は対話機運をしぼませ反発も招くなど逆効果、という反対論も強い。圧力に絶対屈しないとは北朝鮮の主張だ。さて正解は。圧力の強弱、圧力をかけるタイミングの見極めは、どの世界でも簡単でないようだ。終了寸前の決勝点で辛勝した昨夜の試合後、中田英寿選手は「点を取るには時間と忍耐が必要だった」と言っていた。




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