Web東奥・天地人20031219
  
2003年12月19日(金) 東奥日報 天地人



 一九四八年十一月十二日、軍国・日本が裁かれた。極東国際軍事裁判、いわゆる東京裁判で、主要戦争犯罪人(A級戦犯)とされた二十五人に有罪判決が下る。四十一日後の十二月二十三日、東条英機元首相ら七人が絞首刑に処された。

 裁判の主導権は、実質的に日本を占領支配した米国が握り、勝者が敗者を裁く形で進められた。法廷では日本軍の侵略行為の数々が暴かれた半面、原爆投下による大量虐殺は不問に付された。

 時は流れ、所はイラク。米軍が拘束したフセイン元大統領を誰が裁くべきか。方法は、イラク国内に設ける特別法廷、米軍主導の軍事裁判、国連が関与する国際法廷の三つ。ブッシュ米大統領の頭には、特別法廷があるようだ。

 イラン・イラク戦争でフセイン氏に化学兵器を含めた軍事支援をしたり、今回の戦争で劣化ウラン弾を使った問題を、暴露されたり非難されたくない。イラク国民主導を装いつつ、米の意向に沿う裁判にする。そんな思惑があるという。東京裁判と二重写しになる。国際社会では、公正に審理するため国際法廷の設置を望む声が強い。米は耳を傾けるだろうか。

 時は今、所は米国。広島に原爆を投下したB29爆撃機「エノラ・ゲイ」の復元機が一般公開されている。日本の被爆者らが求めていた原爆被害実態の展示説明は、何一つない。一九五六年十二月十八日、日本は国連に加盟した。間もなく半世紀になる。東京裁判で貫かれた「勝者の正義」「強者の論理」は変わっていない。


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