Web東奥・天地人20020318
  
2002年3月18日(月) 東奥日報 天地人



 政、官、業をめぐるゴタゴタに気を取られていたら、米国ではとんでもない機密文書の存在が明るみに出ていた。ブッシュ政権が中国、ロシア、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、イラン、イラク、シリア、リビアの七カ国を対象に、非常時に核兵器を使用する方針を打ち出したのだ。

 このうち、北朝鮮とイラクを最も警戒し、地下施設を破壊する新型戦術核爆弾の開発も提唱している。広島、長崎への原爆投下以来、そのすさまじい破壊力と非人道性ゆえに核兵器は使用不能の兵器とされてきた。冷戦時代も世界の核保有国が「核の封印」を解くことはなかった。

 しかし、半年前に起きた米中枢同時テロをきっかけにブッシュ政権が従来の考えを変え、「核体制見直し」として核使用に動きだした。機密文書では想定される事態として、イラクがイスラエルを攻撃したり、北朝鮮が韓国に対し武力行使することなどを挙げている。本気とみていいだろう。

 そうなると、核戦争勃発(勃発)の可能性は否定し切れない。ブッシュ政権は先にイラン、イラク、北朝鮮を「悪の枢軸」と断じ、一気に緊張が高まった。追い打ちをかけるように今度は核兵器の使用計画だ。この新方針は、超大国の力のおごり以外の何物でもない。

 唯一の被爆国である日本としては絶対に許されない。中国とロシアが対象国に入っていることも軍拡競争の引き金になるだろう。核使用で人類は滅亡する。「ノーモア、ヒロシマ、ナガサキ」の叫びはブッシュ大統領の耳には届かないのか。




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