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  • 2018年3月13日(火)

天地人

 「絆創膏(ばんそうこう)の上に何度も絆創膏を貼るような行政は、あってはならない」。本県の政治家からこんなことを言われたことがある。事実を隠蔽(いんぺい)したり、目の前の火消しに追われるだけでは何も解決しないし、大勢の理解も得られないという意味だったと思う。

 森友学園への国有地売却に関する決裁文書を巡る問題で、財務省が文書の書き換えを認めた。同省の調査結果に、あのときの政治家の言葉が思い出された。いくつかの書き換えが、さらにいくつかの書き換えに反映されたというが、それはまさに絆創膏を貼り重ねるような愚行といえる。

 国有地の大幅値引きの問題が発覚したのは昨年2月。国税庁長官を辞任した佐川宣寿氏は、財務省理財局長だった当時の国会答弁で森友側との事前の価格交渉を否定した。しかし、書き換え前の文書にはそれをうかがわせるような記述があった。改ざんといえる書き換えは答弁との整合性を図るためだったというが、それは元の文書に不要な絆創膏を貼り付けたことになる。

 さらに、削除部分には安倍昭恵首相夫人や複数の政治家の名前もあった。しばらく舞台から姿を消していた役者たちが、再び姿を見せたかのようだ。

 大きな疑問は、優秀なはずの財務省の官僚が、なぜそんな改ざん劇に手を染めたかだ。官邸の顔色ばかりうかがっていたのなら、国民不在の行政と言わざるを得ない。

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