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  • 2018年1月13日(土)

天地人

 澄んだ瞳に、白く輝いた歯。「明眸皓歯(めいぼうこうし)」とは美人の形容である。杜甫の詩にある<明眸皓歯、いまいずくにか在る>の一節は、楊貴妃をうたった。端麗な容姿と顔立ちに、白い歯がこぼれる。まさしく健やか美人である。

 それにひきかえ、わが身の歯の惨状には嘆息する。口から離したピザに入れ歯がくっついていた。沢庵(たくあん)漬けをかじったら、ガリッという音とともに前歯が数本欠けた。情けない体験談だが、は、は、はと笑ってはいられぬ。歯の手入れを怠ってきたツケ、自業自得と観念するほかない。

 2015年度の3歳児健診で、虫歯のある子の割合が本県は全国ワースト2位だった。小紙がおととい報じた。過去14年間で本県はワースト5回、同2位が9回もあり、記事は「3歳児の虫歯 最悪水準」と警鐘を鳴らす。

 歯は万病のもと、という。男女そろって平均寿命全国最下位も、むべなるかなである。子どもの歯の健康度は親の指導によるところが大きい。「3歳児の虫歯」は、大人の健康意識の深さを測るバロメーターとも言える。短命県から抜け出す一歩は口の中から、ということか。

 厚生労働省と日本歯科医師会は「8020(はちまるにいまる)運動」を推進する。80歳になっても自分の歯を20本以上保とう、との運動だ。歯のあることのありがたみは、失って初めて分かる。「80歳20本」への道のりは、3歳児のブラッシングからである。

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